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2014年1月29日 (水)

防諜その2

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秘密諜報員
    5
   □   □
 霞ヶ関の地下鉄出口を出ると秋の爽やかな風が心地よい。トチノキの葉は紅葉が始まっている。
 トチノキと言えば都内ではこの桜田通りが有名だ。落葉性の高木で、交通量が多く排気ガスなど過酷な環境に耐えられるばかりか栃の実は救荒食物と言われ、飢餓に備えての備蓄も可能なことから明治四十五年に当時の農商務省前の通りを中心に植えられたというエピソードがある。
 「今月を入れて正月まであと二か月半か…正月には京都に嫁いだ長女の孫が来ると言っていたな…」
 影虎はこんな思いを馳せながら歩き、いつものように警視庁の副玄関から十一階の部屋に着いた。この部屋は公安総務課で関係者は「桜田門の本陣」と呼んでいる。
 「明智係長!おはようございます。お久しぶりです」
 明るい笑顔の事務官の美登里がお茶を持ってきた。美登里は事務官と言っても女性警察官である。明智を本名で呼ぶのは美登里だけだった。女性被疑者のいる家宅捜索などには出動する。
 「さきほど部長が来て明智さんを見たら部屋に来るように言っていました」
 「ありがとう」
 影虎はお茶を一口含んだ。この部屋のお茶はいつ飲んでも旨い。渋みが少なくまろやかで影虎の心を和ませてくれる。五年前、佐賀県出身のキャリア部長が推奨した「玉緑茶」の茶葉を使用しているという。
 同じフロアの建物の先端に公安部長室がある。入り口を入ると左側に部長別室で庶務担の職員がいる。影虎の姿を見た女子職員が右側の部長室に先に入り、そして「どうぞ」とドアを明けた。
 影虎が「失礼します」と入っていくと部長の瀧沢敏夫が立って迎えてくれた。キャリア組で、明智に影虎の名を付けた国木田と同期だ。影虎をソファーに座るよう勧めながら話し出した。
 「君を政府の国家安全保障会議の情報収集員に推薦したんだよ」
 きょとんとする影虎…
 「『初代のチヨダ』から『ゼロ』まで培った精神で警視庁の名に恥じないよう頑張ってくれ。但し辞令も出さないし人事記録にも載せない。所属はあくまでも警視庁だが仕事は向こうが中心だ。ここに出勤するもしないも君の勝手。自由に動いてほしい」
 事前に内示もなく、有無を言わせない人事だった。瀧沢から口頭で辞令を受けた影虎は、この日は早々、桜田門から引き揚げた。
 久しぶりに帰宅した影虎を康子は自慢の手打ちうどんとすき焼きで迎えてくれた。二人で杯を傾けながら、話は次の正月に来る孫の美華の話題で盛り上がった。美華は嫁いだ長女の子供で来春は小学一年生になる。今が一番可愛い時である。
 「正月が楽しみなんでしょう。あとは事件がないよう祈るだけですね」
 こう言い残して康子は台所を離れた。浴室から大声が聞こえた。
 「あなた!お風呂が沸いていますから、お先にどうぞ…」
 影虎は政府の情報員になったことを敢えて報告しなかった。

    □     □  
 影虎は十一月一日付けで内閣官房に設置された国家安全保障会議(NSC)の秘密諜報員に正式に任命された。
 NSCは首相の肝入りで誕生した。中国や朝鮮半島など北東アジアの軍事的脅威が高まっていることなどから、安全保障政策の司令塔とするため創設されたものだ。
 首相が議長を務め、その下に官房長官、外相、防衛相の三人の大臣。下部組織として国家安全保障局が置かれている。
 保障局には局長の下に中国・北朝鮮の軍事動向を把握する部署や総括、戦略、情報など六部門が置かれ、それらのトップの情報連絡官に外務省や防衛省、警察庁の各官僚が充てられている。
 情報部門は内閣情報調査室を母体にした、「ヒューミント」という諜報部門がある。ヒューミントとは、欧米などの同盟国や友好国、北朝鮮や中国国内などで日本に対する軍事的脅威となる情報を入手する秘密諜報員だ。
 得られた情報を安全保障会議に集約されるのだが単なるスパイではなく、諸外国の諜報機関との連携のもと、民間企業などで働くなど普通の生活をしながら人間関係を重視した情報の収集だ。
 中国・北朝鮮や中東・アフリカでのテロの兆候などを探る情報連絡官には防衛省と外務省が充てられた。
 NSCは軍事的脅威となる情報収集に加え、テロ、大量破壊兵器や自然災害までも含めた国土安全保障会議として米国ではHSCがあることから、その担当部署も設置された。
 この部署はテロ対策など専門的な情報収集活動が求められていることから、警察庁が担当することになった。初代情報連絡官に警察庁キャリア組の国木田龍夫が任命された。
 国木田 が警察庁警備局公安一課から同庁会計課理事官などを経て、長野県警本部長から警視庁警務部長などに異動を繰り返し、警察庁の警備局審議官になった二年後の今年、情報連絡官に抜擢された。
 ヒューミントが国際的なミッションを担当するなら国内でのミッションを担当する情報収集員も必要として国木田が首相に打診。諮問機関に図った結果、少人数なら国内専門のヒューミントとして秘密諜報員の任命を認めることになった。
 但し、あくまでも存在そのものを秘密として人事記録には残さず給与も当分の間、現所属組織から支給することが条件とされた。そして警視庁から三人が指定された。将来は民間人を含めて増員することも考えている。
 ヒューミントに指定されたのは影虎をはじめ公安部の覗き(監視)専門の菊田祐二、ハイテク犯罪情報担当の房木誠の三人。
 菊田は極左暴力集団、革マルや中核の情報収集で警視庁にはほとんど顔を出さない男である。
 影虎と菊田は国木田が警視庁出向時に信頼できる部下として同じ釜の飯を喰った仲間。房木はハッカーを働き警視庁に逮捕されたが、その技術を警察活動に役立てたいと採用されたもので、バリバリ現役の二十九歳。千葉工業大学、電子学科の卒業生だ。いずれもひと癖もふた癖もある強者たちだ。
 三人の存在はNSCと警察庁、警視庁の極一部の幹部にしか知らされていない。
 こうして誕生したNSCだが、今回の航空自衛隊松島基地の爆破事件で首相は「自衛隊を攻撃対象とするのは国家を揺るがすテロ行為」と判断。第一回会議が開かれた。会議には首相、官房長官、外相、防衛相が出席した。首相から次のような挨拶があった。
 「アルカイダや北朝鮮などの工作員の動きが国内で活発になっているという情報がある。テロから国民を守らなければならない」
 議題はテロ対策。各大臣が意見を述べた。官房長官が提言した。
 「マスコミを利用するのではなく、不審物に注意を呼びかけるようなステッカーを作って公共施設や公共交通機関に掲示し、テロに対する危機意識を持つよう国民に浸透させる必要がある」
 これに首相が次のように付け加えた。
 「内閣府が出した二〇〇四年通達に各省は全力を尽くすこと」
 そして首相は、松島基地爆破事件を早期解決し再発防止に全力を挙げるよう指示を出した。
 内閣府の通達とは「テロ対策としては国内テロ集団の行動監視は勿論だが、TATP(トリアミノトリニトロベンゼン)などの爆発物の原料となる化学物質、過酸化水素などは薬局で誰でも買えることから厚労省や経産省、農水省で流れをつかむなど管理を強化する」としたもの。
 ミッションは国内のテロ対策などを担当する国木田が指名され、国内におけるテロリストの活動を封じ込める作戦が展開されることになった。NSCミッション001号である。

   6
 公安総務課長の武田雄一の部屋には、公安一課、二課、刑事部からは捜査一課、組織犯罪対策課から選ばれた四人の刑事が集まっていた。
 何事かと息を飲む四人に武田が言った。
 「実はあなた方四人を宮城県で発生した松島基地爆破事件の応援捜査員に選ばさせていただきました。かつて暴力団捜査で力を発揮した福岡県警への応援派遣制度同様の扱いとなります」
 そもそもの始まりは、東日本大震災の時の各県警からの派遣制度の成功からだった。
 その後、捜査支援とし福岡県の成功例がある。北九州市を中心に指定暴力団の道仁会と九州誠道会の抗争や暴力団排除条例の施行にからみ一般人に対する脅迫行為などが続発していた。これらの事件解決に向けて福岡県公安委員会は警察庁に捜査員の応援を要請したのだった。
 今回の応援派遣員として捜査一課の鴇田盛、公安一課の一条亨らが選ばれた。鴇田も一条も影虎の一年後輩で、影虎を親分と呼ぶほどの仲間だ。武田は続けた。
 「今回は大阪府警と神奈川県警、それに千葉県警の四都府県警からの派遣となります。基本的には事件解決までですが、長引く場合は一年近くになる場合も予想されます。逮捕権の問題もあって人事異動として明日発令します」
 
 鴇田らは翌日朝、東京駅発の新幹線で仙台に向かった。宮城県警の大久保本部長から辞令を受けた後、県警捜査一課の巡査部長運転のワゴン車で捜査本部のある松島東署に向かった。まだ所々にあの東日本大震災の爪痕が残っており、復旧のスローモーさが気になった。
 署長室で公安課の星川が不在のため捜査一課長の谷津が紹介された。大阪府警など他府県の応援派遣組は夕方到着するという。本来なら署長の千野から挨拶があるはずなのに、いきなり谷津が口を開いた。
 「ごぐろうさん。他の連中は夕方着くようなので面倒くせえんでそん時、一緒に説明すっから、休んでいてくだせい」
 独特のアクセントである。挨拶もしないでそれだけ言うと谷津は部屋から出て行った。
 「説明するのに面倒くさい」…なんたる考えを持っているのか鴇田らは驚いた。顔の彫りが深いうえ顔色も浅黒いし眉も濃い。目は常に人を睨め付けているように鋭く、額の皺が目立つ。
 「初対面なのに、なんと慇懃無礼な奴」
 刑事と言うよりは〝頑固爺〟そのものである。
 「仲良くやれるのかなあ」と思ったのは鴇田だけでなかった。しかし応援査員は、あくまでも地元の指揮に従うことだ。申し訳なさそうに千野が口を開いた。
 「あの人が捜査一課長です。もう一人、公安課の星川竜一がいてキャップは二人なんですよ…それで個人隊員に対する殺人もそうなんですが極左など組織による犯行の可能性もあり、本部長が『幅広く』という方針を示したのです」
 千野は谷津の言動に困り果てているようだ。
 「谷津課長はいつもあの調子なんで気分、害さないで下さいね。捜査本部は五階の道場なのでこれからご案内します。まず雰囲気を見て下い。その後は会議室に食事を用意してあります」
 一条が千野に同情した。
 「大変ですね。お会いしたことあるようなんですが…たしか…湾岸署の副署長されていましたよね」
 「あらっそうでしたっけ…もしかしたら公安の一条さん?」
 覚えていてくれたことに一条は感動した。確認すると千野が握手を求めてきた。
 「あの時は大変でした…ここは今年四月からなんでよ」
 あの時とは、ワールドカップサッカー大会を前に、湾岸署管内で警備訓練をした時の話だった。制圧訓練で一条は犯人役になり、勢い余ってケガをしてしまった。その時、手当をしてくれたのが千野だった。
 谷津とは対照的に人間的に丸みがあり、全く嫌みを感じさせない。優しさは当時のままだった。
   7
 大阪府警、神奈川、千葉県警などの応援部隊が到着したのは午後四時を過ぎていた。
 五階の道場で全体捜査会議が開かれたのはそれから一時間後の五時半からだった。既存の捜査本部員三十八人に警視庁、大阪府警など応援部隊十二人も参加した初の合同捜査会議だ。
 県警の坂田刑事部長、石井警備部長も出席。千野署長の挨拶に続いて公安課長の星川が自衛隊を取り巻く環境について説明した。応援派遣捜査員たちは、「この捜査本部は公安主体で動いているな」と感じた。
 捜査一課長の谷津が延々と続く星川の説明を端折るように言い出した。
 「そんなとこはどうでもええ。それより現場の状況を説明してやれや」
 事件捜査の経過説明は宮城県警捜査一課の小山淳一管理官が担当した。
 「これまでの現場検証で遺留物などから爆発物は圧力鍋爆弾と推測されます。使用されたのは黒色火薬ではないかと…例によって爆発力を増すためボールベアリングと五寸釘(十五㌢)が入れられていました…」
 ほんの触りの部分だが圧力鍋と断定した根拠となる証拠も幾つか紹介され、現場周辺の環境や目撃情報から遺留品などの説明と続き、谷津が言った。
 「わがんねえことがあったら聞いて下さい」
 大阪府警の佐伯峰夫が手を挙げた。
 「府警の佐伯と申しますが、害者の死因は何ですか?あともうひとつ、圧力鍋爆弾と断定した具体的な根拠を教えて下さい。製品は特定しているのでしょうか?」
 谷津が何か言おうとしたが、それを制して小山が答えた。
 「害者の死因は外傷性ショック死です。全身打撲で骨が砕けていました。根拠は現場から直系十㌢から四㌢程度の千切れたシルバーのアルミニュームが数片と二個のアクリル製の取っ手と見られる物が見つかっており科捜研がそう断定しました。商品の特定はしていません。これからの捜査になります」
 続いて警視庁公安一課の一条亨が質問した。その内容は専門的だった。公安一課と言えば極左を担当しており、これまでも過激派の製造した爆発物を取り扱っているためどうしても詰めておかなければならない部分があった。
 「起爆装置となるような物は発見しているんですか?」
 この質問には谷津が答えた。
 「まだわがんねえんだ…」
 谷津の会話を手で制するように星川が割り込だ。
 「私個人の意見としては黒色火薬使用の時限式ではないかと思っているのですが…」
 「時限式なら時計の破片などはあるんですか…」
 「それが…なんだか分からないのですが…携帯の破片のようなものもありまして…」
 一条が呟くように言った。
 「携帯ですか…かなり手がこんでいますねえ…そうすると被害者個人に対する恨みと言うよりは、自衛隊が国軍化されれば海外派兵が恒常化されるとあって今、反対運動が激化していることもあり、その可能性を視野にした捜査と言うことになりますね」
 星川が答えようとしたが今度は谷津が立ち上がった。谷津の心の中には「この事件は殺しで捜査一課の仕事だ」と言いたげだった。
 「そんたらごど言ったってあんた…犯行声明も出ていねぇんだよ」
 キャップの意見が割れている。応援部隊はあきれ顔をしている。府警の佐伯が谷津の方を見ながら聞いた。
 「もく(目撃情報)はあるんですか?防犯カメラもあるようだし、何かヒントになるようなものは写っているのかなど、もっと情報を出して下さい」
 谷津が血相を変えた。
 「だがら言ってんだろう。人通りが少ねえんだよ。人もいねえところを爆破しているんだ。なんの意味があるか考えれば分がるだろう。これはな、単なる人ごろすだ。だからかんす(監視)カメラにはほとんど写ってねえんだ」
 佐伯は強い挫折感を持った。「単なる殺しなら我々の応援を得るまでではないはずだが…」
 捜査会議はたいした実りのないままに終わった。全員が立ち上がった。星川が警視庁の一条に近づいて何やら話し出した。同時に千野が谷津に近づいて低い声で耳打ちした。
 「応援捜査員はこちらがお願いしているんですよ。もう少し情報を積極的に出して協力を得ましょうよ」
 聞いていた谷津の顔色が変わった。千野はひそひそ話のつもりだったが谷津の怒鳴り声に全員が凍り付いた。
 「そんなごとはお前さんに言われなくてもわがってるよ。かんすカメラに不審な人物が写っているかと聞がれたがら、不審者と断定できる者は写ってねえと言って何が悪いんだ?それに…写っているものが不審者かどうか分がんねえし、何も写ってねえとは言ってねえよ」
 これで終われば良かったが谷津は次の言葉を言ってしまった。
 「あんだは東大出てっかもすれんが、こちとらは三十年も事件を捜査してきたんだ。素人は余計なごど言わんでくれ」
 一触即発の状態である。千野も負けてはいなかった。
 「これって特別捜査本部よ。指揮官は本部長なの!」
 語尾を強めて言った。黙る谷津。さらに続けた。
 「あなたは単なる代理なんだから…協調性が得られないのなら本部長に言って指揮官を変えてもらうしかありませんね」
 谷津の目がつりあがった。これを見ていた坂田が谷津を石井が千野を押さえにかかった。
 「何をみっともないことやってんだ。ここまでだ。はい止めて、止めて…」
 署長室に帰る千野の顔は悔しさに満ちていた。
 ひとつの捜査本部でキャップ同士の意見が割れている丨一条は初めて経験する出来事だ。 

 アルカイダの男
    8
 ジョンソンの情報を元に影虎は大田区西蒲田の製作所に勤めるジャマン・ナマンガニの行動確認に入った。「行確」と言われ公安捜査の最も基本的な捜査手法だ。ヒューミントの仕事始めである。
 ジョンソンが教えてくれた「タカベ」は高部製作所で西蒲田五丁目にある。ベアリングをはじめ自動車や船のエンジン部分、機関銃の銃身の部分など精密さが要求される部品を製造している。
 機関銃などの部品の製造工場…そこに最も危険集団とも言われるテロリストがいる…こう考えると影虎の背筋が寒くなつた。
 京浜東北線蒲田駅の北側のガードのある道路を西に歩いて七分。簿記専門学校の南側にあった。木造二階建ての古ぼけた自宅の東隣りに骨組みが鉄骨で、周囲をスレートで囲った作業場がある。
 これからナマンガニの行確に入るのだが、作業場を直接見渡せるところは敷地の中に入らなければならない。
 こうなると出退社を確認するしか手だてはないようだ。車で見張ろうと思うのだが、道幅は六㍍と狭いので駐車はできない。
 警視庁にいる時は二人でも三人でも人海戦術がとれた。今の自分の身では部下も同僚もいない。国家機関・NSCの情報収集も名誉な仕事だが、これからもこんな孤独の戦いが続くのかと思うと滅入ってしまう。
 「おいらは情報屋…刑事じゃないんだ」
 影虎は自分に言い聞かせることで慰めた。
 「ゼロ」のメンバーを兼ねた秘密情報員だが、人事記録も含めて他の捜査員からは隔離されており、仕事内容は仲間にも言えない。勿論、同僚も影虎の現状を知らないことになっている。
 「今、どうするか…」
 影虎は考えた。とりあえず製作所の前にバス停があり、ジュース類の自動販売機がある。そこでジュースを飲みながらバスを待つ方法を考えたが、どうみても長時間、佇むのには無理だ。
 現在、午後五時四十分。ナマンガニが仕事を終えて帰る時間を調べて自宅まで尾行し、住居を割るしか方法はない。
 影虎は高部製作所の修業時間を調べるため近くの豆腐屋に飛び込んだ。
 「お尋ねしますが、高部製作所などこの辺の工場は何時に終わるんですかねえ」
 警察手帳を示せば良いのだが、今後の張り込みもあって示すのを控え、職業さえ名乗らなかった。意外に快く店主が答えてくれた。
 「他は知りませんが高部さん所は朝の九時から夕方の六時だと思いますよ。作業員は六時から六時半の間にここを通って駅に向かいます。経理の女性などは良く豆腐を買いに寄ってくれますから…」
 「ありがとうございました」
 影虎は丁寧にお礼を言って店を出た。時計を見ると六時十分前。修業時間まであと十分だ。
 帰宅の遅い高校生たちが帰って行く。二十分は待っただろうか見覚えのある男が一人で出てきた。
 あの時、ジョンソンが見せてくれた東南アジア系の男の写真とそっくりの独特の人相の男だ。確かに眼が窪んで鋭く、黒くて太い眉。黒いあごひげがある。
 男は蒲田駅の方に歩いている。相手はアルカイダのテロリストだ。普通の尾行では気付かれてしまう。何人か交替で追尾すれば気付かれなくて済むんだが…影虎が見渡すと道路の反対側を乳母車を押した女性が歩いている。
 「そうだ。あの前後に付いて家族の様に見せかければ良い」
 そう思った影虎は一時はその女性と並んで歩いた。
 「可愛いお子さんですね。女の子ですか?」
 初対面なのに女性が話に応じてきた。
 「女の子です。もう一歳半になるんですよ」
 こんな雑談を交わしていると駅に着いてしまった。男は蒲田駅二階にある中央改札に向かっている。追尾する影虎…
 改札を通った男は階段を降りて一番線の東京方面の電車に乗った。京浜東北線である。先頭車両の真ん中の扉から乗り込む男。影虎はひとつ離れた扉から乗り込んだ。夕方の上りとあって車内は空いている。目と目が合わないよう細心の注意が必要だ。
 影虎はカバンからある眼鏡を出してかけた。この眼鏡は追尾用にあつらえたものだ。捜査三課のデカ連中が使っている優れものだ。フレームの幅が広く外側からは見えない小さな鏡が内側に付いている。正面を向いているように見えるが実は横にいる相手を鏡でとらえているのだ。
 男は二つ目の大井町駅で降りた。JRの西口階段を上って行く。着いたところは東急大井町線だ。一番後ろの車両に乗った男は二つ目の戸越公園で降りた。
 第二出口を出た男は右に進み、次の交差点を左折して約五百㍍は歩いただろうか、右側に赤煉瓦づくりの二階建てのマンションに入って行った。戸越五丁目だ。辺りは暗くなっている。影虎は道路からマンションを見ていると二階の右端の部屋に電気がついた。
 「あそこがジャマン・ナマンガニの部屋か…」
 マンション名を確認すると「センチュリー・パークサイド」と書かれている。一、二階にはそれぞれ三部屋づつある。
 影虎はマンション内に誰もいないことを確認してエントランスに向かった。僅かな時間を利用して郵便受けで男の名前を確認した。ところが二階の全部の部屋は日本人名で、他の階を含めてジャマン・ナマンガニの名前は見当たらない。
 右端の部屋は一〇三号室の上だから二〇三号室になる。その番号の郵便受けには「SUNAHARA」と書かれていた。
 ここで行動確認に入るのだが、しかし、路上に張り込み用の車を止めるスペースなんかない。周囲を見回す影虎。マンションの出口の前に木造二階建ての家があった。良くみるとそこは文房具店だった。「富田文房具店」と看板が出ているが看板の文字の剥げ具合から見て、相当古い店のようだ。もう午後七時を過ぎたというのに、店の電気はついているが人影は見当たらない。
 「ごめんください」
 主人だろうか七十歳前後のお年寄りの男が出てきた。食事をしていたのだろう口をもぐもぐさせている。
 「何でしょうか?」
 影虎は警察手帳を示しながら言った。
 「私は警視庁の明智と申しますが、ある仕事があって、この前の道を通る人を確認しなければならないのです。もしよろしければ、店番でもさせていただきたいのですが…」
 「今から?」
 お年寄りはびっくりしたような顔をして佇んでいる。返事に困っているようだ。影虎は続けた。
 「若い時は民間企業にいましたので店番ぐらいはできますが…」
 奥から女性が出てきた。奥さんのようだ。男より若く五十歳代に見えた。部屋で話の内容を聞いていたのだろう。
 「よろしいですよ。あなた、それぐらいは協力しましょうよ」
 そして次の様に言ってくたれ。
 「もしよろしければ、二階が空いているのでそちらを使ってもいいことよ」
 夫が言った。
 「お前がいいと言うならいいだろう。飯の用意もあるし…年寄り二人なもんだから…」
 影虎は笑顔になった。
 「ありがとうございます。食事は要りません。なにしろいつ飛び出すか分かりませんので…それにそんなに長くはありませんから…」
 「あんた方も大変ですね。ちょっとでも治安の役に立つのならきょうからでもいいですよ」
 こうして翌日から二階の部屋を借りてナマンガニの行動確認に入った。

 首相暗殺未遂事件
   9
 陸上自衛隊中央観閲式の会場入り口となるのは朝霞駐屯地の訓練場正面入り口だ。ここは首相を迎えるため自衛隊員が整列し緊張に包まれていた。
 基地の外の広場には日の丸の手旗を手にした地域住民が四、五十人集まっている。動員された政党の党員たちだろう。その集団からひときわ大きな歓声があがり、手旗が振られた。
 午前十時十七分、SPが乗る警護車の先導で首相の車が到着した。先導車はそこでUターンして首相車から離れた。先導車は警視庁のパトカーだった。
 首相車は正門ゲートから、ゆっくりと基地内に入って行く。首相が降車する車寄せまでの約三十㍍には手前から陸、海、空の各隊員が一列に並び、敬礼で首相の車を迎えた。
 中央観閲式は三年に一度、十月中旬から下旬に実施される。会場では午前十時半から始まる観閲式に参加する約四千人の自衛隊員や一般招待者が首相の臨場を待っていた。
 首相を観閲台まで案内する第三〇二保安中隊員が静かに見守る中、防弾ガラスの首相専用車が車寄せで停止し、一人のSPが左後部のドアを開けた。首相の左右を守るようにもう一人のSPも配置に付いた。
 その時だった。三〇㍍後方の今、通って来た正門付近で轟音とともに閃光が走った。
 車に隠れるように身をかがめる首相に覆い被さり身を守ろうとする保安隊員。二人のSPがけん銃をかまえ、次の攻撃に備える。周辺は逃げまどう隊員たちで大混乱になった。
 火薬の匂いが立ち込め、火薬を扱い慣れたSPや隊員たちには、匂いから何が起きたのかすぐ判断がついた。
 五秒、十秒と時間が過ぎて次第に白煙が薄れた現場には五人近くの自衛隊員、首相の到着を歓迎しようと集まった一般見物人十人以上が倒れて動けなくなっている。日の丸の小旗を抱え動けなくなっている子供、血だらけになって手を伸ばして助けを求める女性の姿が痛ましかった。
 けが人たちは、近郊から駆けつけた救急車や自衛隊の車両で朝霞や新座市、東京・練馬区内の病院に搬送されて行った。一般市民三人が死亡し、自衛隊員を含めた重軽傷者は十三人となる大惨事となった。
 同駐屯地では一九七一年(昭和四十六年)の八月二十二日未明に基地内パトロールの陸士長が赤衛軍と名乗る過激派によって殺害された事件がある。
  □       □
 「さあきょうから行確に入るぞ。絶対に奴の正体を暴いてやる…」
 影虎はジョンソンから寄せられたナマンガニの行動確認の初日。きょうから暫く泊まり込みになる支度をしながらテレビのスイッチを入れた。
 陸上自衛隊朝霞駐屯地にある訓練場で爆発事件があったという現場の生々しい中継が目に飛び込んできた。
 「…この爆発でもう二十人近くが市内や東京都内の病院に搬送され、現在も救出活動が続けられています。この大惨事に、行われる予定だった陸上自衛隊中央観閲式は中止になりました…」
 興奮気味で放送を続けるレポーターの髪の毛も爆風を受けて乱れているばかりか、背広の所々に血が滲んでいる。それでも続ける実況放送。東京のスタジオではキャスターやコメンテーターが固唾をのんで見守る。いたたまれなくなった女性キャスターが呼びかけた。
 「ケガをなさっているようですが大丈夫なんですか?」
 「はあ?」
 周囲が騒々しいのだろうか良く聞き取れないようだ。声を大きくしてもう一度呼びかけた。
 「あっ、はい、大丈夫です。何か釘のようなものと鉄の玉みたいなものが飛んできて身体に当たったんです…」
 カメラがレポーターの顔をアップする。額から血が流れている。コメンテーターが言った。
 「爆発したのは釜爆弾と思われますね。そうすると飛んできて身体に当たったのはベアリングの玉じゃないですか?」
 今度はメーンキャスターの男性が呼びかけた。
 「首相は無事なんですね。現在はどこにいるんでしょうか…」
 レポーターはキャスターの声が聞こえないのか現場の説明を始めた。
 「…今、爆発地点に行こうとしているのですが、ご覧の通り混雑のほか非常線も張られて身動きできません…」
 キャスターが再び問いかけた。
 「首相は無事なんでしょうか? 」
 現場をレポートする記者は「エッ!何でしょうか?」と左耳に差し込んだイヤホンに手を充てる。現場が騒々しいので聞こえないのだろう。女性キャスターが再び大声をあげた。
 「川本さぁ~ん、首相は無事なんでしょうか?爆発物は特定できているのでしょうか?」
 この時、カメラの前を血だらけになった制服姿が二人の隊員の両肩に支えられて横切った。向かった方向にカメラがパンした。その先には病院への搬送順番を待つけが人が大勢いた。制服が血で染まり、ぼろぼろに切れている。爆発の凄さを物語っている。
 レポーターがようやくスタジオの質問が分かったようだ。
 「はい、首相は無事です。警護の車でこの現場から基地内の会場のほうに避難しています。爆発したのはまだ詳しくは発表されていませんが、隊員たちは爆弾が炸裂したと叫んでいます」
 この日は午前七時半から午後二時半まで装備品の展示が行われ、同十時半から観閲式が行われる予定だった。
 式には自衛隊総指揮官の首相が出席。陸、海、空の隊員三千八百人、周辺自治体の招待者など含め四千人近くが見守る中、指揮車のジープを先頭に、64式小銃を手にした徒歩部隊や国際活動教育部隊、対人狙撃銃を携行する特殊武器防護隊などの行進に続いて陸上自衛隊の対戦車用ヘリコプター「AH丨Sコブラ」、航空自衛隊のF15丨2要撃戦闘機などのデモンストレーション飛行が行われることになっており、多くの報道陣が詰めかけていた。
 ところが式の始まる十分前、丁度首相が到着した十時十九分前後に爆弾らしき物が爆発したのである。
 埼玉県警は朝霞署に捜査本部を設置。警備と刑事の両部による百人体勢で「陸上自衛隊中央観閲式爆破事件」の捜査を始めた。
 テレビを見ていた影虎が呟いた。
 「首相の到着が数十秒遅れていたら巻き込まれていたことになる。これは暗殺未遂事件だ。許せない」
 
 この時、影虎の携帯が鳴った。それは情報連絡官の国木田からだった。
 「至急来てくれないかな。五階のエレベーターを降りたところで携帯を呼んでちょうだい。迎えに行くから…」
 初の命令だ。影虎がとりあえず準備を済ませて杉並区の自宅を出たのは午前十一時を回っていた。
 地下鉄丸の内線の霞ヶ関で下りた影虎が、財務省手前の角を右に折れて坂道を登る。首都高のある道を左に行けば合同庁舎8号館がある。NSCは五階の一フロアを使っている。
 影虎が五階のエレベーターを降りるまで駅からは十分とかからなかった。国木田に連絡しようと携帯を取り出した時、廊下右手から国木田が近づいてくるのが目に入った。息が切れしている影虎に向かって国木田が言った。
 「やあ~虎さんごめん、ごめん。こっちに来て!」と言って廊下左側の入り口で止まった。ドアは鉄製になっており窓はない。国木田はドア左側にあるボックスに身分証明をかざすとカチャと音がした。警察庁二十階の警備局と同じようにセキュリティがしっかり保たれている。
 部屋に入ると受け付けのようなカウンターがあるが人は座っていなかった。カウンター奥に両袖の机が、部屋の左右に書棚が置かれている殺風景な部屋。机の上の黄色の菊の花だけが目立った。普段なら静かだろうが、今はテレビから騒々しい音声が流れている。
 国木田は机の前のソファーに影虎を案内した。
 「こんな狭いところだが、一人だから不自由はしない。でもなんとなく寂しいもんだよ。賑やかなほうが俺の性に合うんだが…」
 あの時の声が上擦っていたわりには今度は落ちついている。
 「他に事務員はいないのですか?」
 「外出などで留守番が必要な時に呼ぶだけなんだよ。電話を含めて保秘事項が多いから…で、お茶は…と」
 冷蔵庫からペットボトル入りの緑茶を持ってきて影虎に渡した。冷たいお茶は影虎の乾いた喉を潤してくれた。国木田はおもむろに口を開いた。
 「米国やその他の国が絡んでいるので、おおっぴらには言えないが実はアメリカが中心になって日本は勿論、ロシア、欧州各国をカバーしている軍事目的の通信傍受システムがあるんだ」
 「ドイツの首相に対する盗聴が問題になったあれですね」
 影虎は公安の世界に入って長いが、そんなシステムがあるとは初耳だった。
 国木田は続けた。
 「その施設が日本では青森県の三沢基地にあると言われているが、政府も含めて誰も確認はしていない。アメリカに聞いても曖昧な返事が返ってくるばかりだ」
 国木田はお茶を口に含んで言った。
 「その施設では日本中のあらゆる電波を傍受して記録もできるらしい」
 影虎が質問した。
 「無線だけじぁないんですか?どうやって聞くんだろう」
 国木田の説明によると、その施設名は「エシュロン」。フランス語で「Echelon」と書く。軍事目的の通信傍受システムで、無線だけでなく、固定電話から携帯、メールファックス、データ通信まで一分間に三百万の通信を傍受できると言う。
 「ドイツの首相ではないが、日本の総理も聞かれている?」
 「いや、闇雲に傍受しているわけではないようだ。システムには辞書が登録されており、登録された文言が含む電話やデータ、メールなどを傍受するそうだ」
 例えば辞書に「爆弾」「攻撃」「聖戦」「開戦」「ミサイル」など軍事攻撃が予想される文言があれば傍受の対象になるのだと言う。
 「そもそも戦争やテロリスト対策が主たる目的で、〝世界の警察官〟役のアメリカならではの施設だよ」
 二〇一三年四月十五日、米国のマサチューセッツ州ボストンで開かれたマラソン大会で圧力釜爆弾が爆発。参加選手ら二百八十二人が負傷した事件では、ロシアのエシュロンが電波を傍受していたことが事件後、明らかになっている。
 爆破事件で射殺された容疑者が二年前の二〇一一年の初めころ、母親と電話で、イスラム教のジハード(聖戦)について漠然と会話を交わしていたと言うのだ。但し、当時は目標地が米国のどこの場所かが分からなかったため米国には連絡されていなかった。
 我が国では一九九九年三月の能登半島沖の北朝鮮の不審船事件の傍受はエシュロンだったと言われている。目的は日本国内にいるスパイの引き揚げだった。
 この時、影虎はジョンソンが言っていたあの部分を思い出した。
 『我々は逮捕したアレクスが通話している内容を把握している。それはTNT火薬の話だ』と。そしてその通話相手の電話番号まで知っていた。それは090・875×・6×××。影虎はジョンソンはエシュロンで傍受したんだと思った。
 さらに国木田の話は続いた。
 「本題はここからだが、実は…朝霞駐屯地爆破の指示と思われる電話が傍受された」
 影虎は耳を疑った。さらに続ける。
 「傍受時間は事件の日の午前七時二十分ごろだ」
 そう言って国木田は通信内容の全文を読み上げた。
 「予定通りの聖戦を実行せよ。時間を間違えるな。防犯カメラに注意すること。成功を祈る」だ。国木田はさらに続けた。
 「通常なら関係国は通信傍受の内容を極秘にしているはずだが、宮城でも一週間前に爆破事件が発生しており、テロの可能性もあることから米国のNSCの補佐官からカウンターパートの日本側NSCの安保局長に極秘電話が入った」
 国木田の口の中はカラカラに乾いているのだろう。やたらとお茶を飲んでいる。「だったらなぜ警戒態勢がとれなかったのか?」と影虎は疑問を持った。
 「それは今回の爆破司令の電話とみているんですね。ではなんで警戒態勢を敷かなかったのですか?」
 国木田はまたペットボトルのお茶を口にふくみながら言った。
 「その通りだが現場が分からなかった。とりあえず防衛省には警戒態勢をお願いしたんだが、発生まで時間がなかった」
 「前回の宮城の時は通信はあったのですか?」
 「それはあったと思うがこちらへの連絡はなかった。但し辞書登録の文言が含まれなければ傍受は無理だから…」
 国木田が声を潜めて言った。
 「司令を出している携帯番号は090・88××・2××6だ。受けている番号は090・325×・7×××…今、それぞれの所有者割り出しと通話記録などを調べている」
 さらに続けた。
 「現在、君はなんの仕事をしているかは分からないが、通信内容に『聖戦』とあることから、中東の可能性も考えられる」
 「今、アルカイダのある人物を追っているんです」
 影虎は詳細の説明を避けた。
 「それは好都合だ。今回の爆破事件のことを頭の中に入れておいてほしい」
 「埼玉県警には応援派遣はあるんですか?」
 「あそこは人数が多いので行く必要はない」
 「そうすると情報はとれないのか…」
 「いや、その点は大丈夫だ。この事件は警察庁の警備課が指揮することになった」
 影虎は安心した。
 「情報官、090・325×・7×××などの番号の所有者照会はするんでしょう」
 「それは埼玉県警がするはずだ」
 「実は調べてもらいたい携帯番号があるのですが…」
 「どうしました。調べるのはこちらでやりますから何でも言って下さい」
 影虎はジョンソンとの話の内容を隠した。
 「アルカイダのメンバーがかけた相手の携帯なのですが090・875×・6×××と080・139×・×5×です」
 「分かりました。分かった段階で連絡します」
 そして国木田は影虎に一枚のキャッシュカード渡しながら言った。
 「これを自由に使って下さい。領収書は要りません。何に使ったとかの報告もなくていいです」
 こうして影虎は解放された。(つづく)

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