北朝鮮による拉致問題の早期解決に向けた国際連携を強めようと、日本、米国、オーストラリア、欧州連合(EU)が共催した国連シンポジウムが16日夜、オンライン形式で開催された。例年、米ニューヨークの国連本部で開かれていたが、新型コロナウイルス禍で昨年に続き、オンラインでの開催となった。
冒頭、松野博一官房長官兼拉致問題担当相は、「北朝鮮による拉致問題は基本的人権に対する深刻な侵害。国際社会として連携して取り組む必要がある」と述べた。
国内からは、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の弟で、家族会代表の拓也さん(53)や、田口八重子さん(66)=同(22)=の長男、飯塚耕一郎さん(45)らが参加した。
拓也さんは「国際社会が一致団結し、覚悟をもって北朝鮮に立ち向かい、人権侵害の拉致事件を解決させる必要がある」と述べた。
飯塚さんは、昨年12月に田口さんの兄、飯塚繁雄さんが亡くなったことに触れ、「拉致問題は命の問題。これ以上、家族の間を死で裂くことは避けなければならない」と早期解決を訴えた。
米国やタイの拉致被害者家族も参加し、家族を奪われた日々について話した。2004年に中国で失踪し、北朝鮮に拉致された疑いが強い米国人、デービッド・スネドンさん=失踪当時(24)=の兄、ジェームズさんは、日本の「我慢」は「耐え難いことを品格をもって耐えること」とした上で、めぐみさんの母、早紀江さん(86)について「彼女は45年もの間、我慢している。いつまで我慢させるのか」と問いかけた。
米国やオーストラリアの国連大使らも参加。トーマスグリーンフィールド米連大使は、「北朝鮮はただちに、拉致被害者についての情報を公開し、家族の元に返さなければならない」と強い口調で訴えた。
https://www.sankei.com/article/20220616-CXMSWGINMBOODEVQAKBYWA6Z7Q/