「自分が『テロリスト』と考えたことない」重信元最高幹部の質問回答全文(28日)産経
日本赤軍が1974(昭和49)年、オランダ・ハーグの仏大使館を占拠した「ハーグ事件」などで、殺人未遂罪などで服役していた日本赤軍の重信房子元最高幹部(76)が28日午前、懲役20年の刑期を終えて出所した。重信元最高幹部は同日、出所にあたり、「再出発にあたって」と題した手記と、メディアから受けた質問に対する回答を発表した。
質問に対する回答の全文は以下の通り。
質問について
様々なメディアの方々から、直接、あるいは大谷弁護士を通して、いくつもの質問を頂いております。
共通する質問のいくつかについて、大谷弁護士に答えを託します。
--逮捕から21年以上の獄生活から自由の身になって、現在の心境について
「すでに、プレスリリースに記しました通りです。更に言えば、海外での様々な活動の中で喜びも苦労も味わって来ましたので、日本の獄生活が苦しいということは、ありませんでした。いつも命を今日、失うかもしれないという中で生活して来た私にとって、命をつないで今日、出所出来たことは、ありがたいことだと思っています。逮捕以来、拘束、自由を奪われる中で、心の自由を求めて、獄で初めて短歌を詠むようになり、私に豊かな潤いをそれはもたらしてくれました。また長い間の獄、公判に、30年以上も断絶していた学生時代の友人たちをはじめ、変わらぬ友情で、精神的・物質的支援の中で獄中とは言え、快適に精神を保っていくことが出来ました。又、公判の最終段階の2008年に癌が発見され、手術を繰り返し、生きてこの出所の日を迎えることが出来たのは、医療刑務所の主治医をはじめとする方々の尽力のお陰です。感謝しております」
--刑務所、獄生活について何か考えたことはありますか?
「それは大いにあります。日本の司法、刑務所行政は、先進国ばかりか、発展途上の国々よりも、たちおくれている点が多々あります。国連人権理事会などから、改善を求められている死刑制度は、最たるものですが、先進国では、もう、日本と米国位しか死刑を行う国は残っていません。又、『無期刑』が、終身刑化している現実も益々既成事実化されているのを実感します。更に私自身、実感したのは、刑務所の処遇・制度の抜本的改革の必要性です。それなしに、日本は、国際的な人権水準には、とうてい並びえないと思いました。具体的に言えば、その第一は、刑務作業に対する『報奨金』のあまりの低さです。刑務労働に対する国際的な水準とは桁違いです。私も治療の治まった2020年夏から民芸品作りの刑務作業に就きましたが、時給、7円50銭が最初の時給です。一年後の時給は、20円90銭で、一年間にやっと約一万二千円貯まりました。一般的に、受刑者の方々が、「刑務所帰り」という厳しい目のある社会の中で、自立して生きていくための資金を持つことが出来ないのです。他の世界の国々の水準に見合う時給であってほしいと思います。再犯率は、それによって大きく下がると思います。第二は『国民皆保険(国民健康保険)』の日本で、受刑者には、それが適用されていない点です。厚生労働省ではなく、法務省の管轄に受刑者たちの医療がおかれているためです。刑務所の医療は酷いもので、当センターに移監されてきても、手遅れのケースが少なくありません。それに、歯科治療は、当センターを含めて、刑務所医療から義歯作りは除外されているために、何十万円という自己負担で治療するしかありません。困窮下にある受刑者に、まったく医療が届いていません。幸運にも、私は、刑務所でも良い条件に恵まれ医療も適切に受けることが出来ましたが、全受刑者への国民健康保険の適用を願っています。更に第三には、受刑者の処遇に関する規則があまりに詳細に一挙一投足を縛り人間らしい生活を著しく損っていることです。明治時代の監獄法は、その精神・法・矯正教育として生き続けています。現在の、人権を重視する国際社会にふさわしく、受刑処遇や拘留中の規則の抜本的改善が必要だと実感しました」
続きを読む
https://www.sankei.com/article/20220528-QWSIRFLUGNLCTD2VI624G4ZPRQ/
« 日本赤軍の重信房子元最高幹部 20年の刑期終え出所(28日)産経 | トップページ | 知床 観光船沈没 業務上過失致死容疑で船体押収し現場検証へ(28日)NHK »
「公安・情報・警備(国内外テロ事件・情報 スパイ、北朝鮮関連など)」カテゴリの記事
- 連合赤軍が残した深い傷 政治の時代の終わりとサブカルへの違和感(20日)朝日(2022.06.20)
- “スパイ”はすぐそこに… 狙われる日本の先端技術(19日)NHK(2022.06.19)
- 「あさま山荘事件」から50年 時代背景や教訓考えるシンポ(19日)NHK(2022.06.19)
- 国連拉致シンポ「国際社会が連携し解決」 被害者家族ら訴え オンライン開催(16日)産経(2022.06.16)
- 拉致問題国連シンポ 松野官房長官“解決に国際社会との連携を”(16日)TBS(2022.06.16)
« 日本赤軍の重信房子元最高幹部 20年の刑期終え出所(28日)産経 | トップページ | 知床 観光船沈没 業務上過失致死容疑で船体押収し現場検証へ(28日)NHK »
コメント