36年前の女子中学生殺害、服役した男性が2度目の再審請求へ 福井(3日)朝日
36年前に福井市で中学3年の女子生徒を殺害したとして、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(56)が近く、2度目の再審請求をする方針を固めた。弁護団が2日、明らかにした。事件では2011年に再審開始決定が出たが、14年に再審請求を認めない決定が確定している。
弁護団は2日、報道陣の取材に対し、有罪判決が根拠とする関係者の供述について「心理学の専門家の鑑定書など四つの新証拠により、信用性は否定される」と訴えた。
事件は1986年3月に発生。約1年後に前川さんが逮捕され、一貫して容疑を否認した。前川さんと事件を直接結ぶ客観的証拠はなく、公判では「事件の夜に血の付いた前川さんを見た」などとする知人らの供述の信用性が争われた。
90年の福井地裁判決は、前川さんの関与を示唆する複数の供述が変遷しているなどとして無罪だった。95年の名古屋高裁金沢支部判決は「大筋では一貫している」と供述の信用性を認定。シンナー吸引による心神耗弱での犯行として懲役7年を言い渡し確定した。
再審請求での名古屋高裁金沢支部決定は、知人らの供述を「信用性は脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘。凶器にも疑問を呈し、裁判のやり直しを決めた。検察側は異議を申し立て、名古屋高裁は供述の信用性は損なわれないとし、再審開始が取り消された。
弁護団によると、知人らの供述を心理学の専門家が改めて分析。また、犯行に使われたとされる車の鑑定も実施し、供述と状況が矛盾すると指摘する方針。鑑定の作業に数年を要したという。(荻原千明、柳川迅)
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〈福井女子中学生殺害事件〉 1986年3月19日夜、福井市営住宅の一室で、1人で留守番をしていた女子生徒(当時15)が五十数カ所を刺されるなどして死亡した。福井県警は1年後、当時21歳だった前川彰司さんを逮捕。前川さんと事件を直接結ぶ証拠はなく、「血のついた服を着た前川さんをかくまった」などの知人らの供述が、確定した判決の根拠となった。
福井女子中学生殺害事件を巡る動き■
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