過去5年の密漁、漁協が告訴せず大部分期限切れ 「総合的な判断で」(8日)朝日
島根県内の沿岸で確認された過去5年分の密漁について、漁業権を持つ漁業協同組合JFしまね(松江市)が告訴せず、大部分が期限切れで刑事責任を問えなくなった。問題発覚後に一部は告訴されたが、県が漁業権の取り消しを検討するなど、JFの姿勢が問われる事態になっている。
JFしまねは漁業法に基づいて知事から免許を受け、県内のほぼ全域の沿岸に「共同漁業権」を持つ。組合員以外がサザエやアワビ、ワカメ、タコなどの水産物を採ると、漁業権を侵害した罪で最大100万円の罰金が科される。ただし、罪に問うには被害者であるJFしまねの告訴が必要になる。
沿岸を管轄する境・浜田両海上保安部によると、2017~21年の5年間で確認した密漁は計85件。境では59件61人、浜田では26件42人だった。被害はサザエが計約2500個、アワビが約150個など。17年には関西在住の7人が、サザエ約38キロなどを密漁する悪質な事案もあった。
海保は密漁を確認すると、漁業権を持つJFしまねに通知する。しかしJFは問題が公になった後の2月中旬まで、そのうち1件も告訴していなかった。
告訴期限は犯人を知った日から6カ月。境が21年に確認した4件を除き、81件はすでに期限が切れている。浜田では16年の5件についても告訴されず、期限が切れた。両海保は19年、連名で告訴がされていない状況を知らせる文書を送ったが、JFは対応しなかったという。
密漁は近年、組織的で悪質な手口が横行。反社会的勢力の資金源になっているともされ、20年から罰則が強化された。JFの密漁放置を受け、丸山達也知事は2月8日の会見で「あきれている。自分の預かっている財産を管理出来ないのなら、その役を降りるのが普通。できないならば、漁業権の取り消しも検討する」と発言。一方で組合員らに対し、組織の体質改善のための働きかけを強めることも求めた。
境海保によると、まだ告訴期限が切れていない21年の4件の密漁は4日までに告訴されたという。
一方、これまで告訴しなかった理由について、JFしまねは取材に応じなかったが、県によると、2月22日に県に提出した報告書で「採捕量が少ない、組織的事案が少ない、密漁犯が反省しているなどの要素を、会長が総合的に判断した」と説明しているという。(榊原織和)
https://www.asahi.com/articles/ASQ376WJWQ2XPTIB008.html
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