娘死亡の火事 再審で母親無罪確定 警察に賠償命じる 大阪地裁(15日)NHK
27年前、大阪 東住吉区で小学生の女の子が死亡した火事をめぐり、再審=やり直しの裁判で無罪が確定した母親が大阪府などに賠償を求めていた民事裁判で、大阪地方裁判所はうその自白をさせた警察の取り調べは明らかに違法だとして府に1200万円余りの賠償を命じました。 平成7年、大阪 東住吉区の住宅が全焼し、11歳の女の子が死亡した火事では、母親の青木惠子さん(58)が、放火や殺人などの罪に問われ、無期懲役の刑で服役しましたが、平成28年に裁判がやり直され、無罪が確定しました。
青木さんは警察の取り調べでうその自白をさせられ、20年以上不当に拘束されたなどとして、大阪府と国に賠償を求める民事裁判を起こしました。
15日の判決で大阪地方裁判所の本田能久裁判長は「担当の警察官は青木さんに娘の写真を見せて助けられなかったことを責め続け、体調を崩しても配慮せず、長時間大声を出して厳しく取り調べた。明らかに違法だ」と指摘しました。
さらに、この元警察官が証人として出廷した際に青木さんの前で「今でも犯人だと思う」と発言したことについて「青木さんを傷つけただけでなく根拠のないひぼう中傷を招きかねない」と批判し、府に1224万円余りの賠償を命じました。
一方、検察の対応については数々の疑問があるとしつつも違法とまでは断定できないとして、国の賠償責任は認めませんでした。
大阪府警察本部「内容精査し対応決めたい」
大阪地検 八澤次席検事「国の主張認められた」
裁判の争点 警察の取り調べ違法か否か
裁判で、青木さんは、警察の取り調べで繰り返しどなられたり、なぜ娘を助けなかったのか問い詰められたり、精神的に追い詰められる違法な取り調べを受けたことでうその自白をさせられたと訴えました。
一方、大阪府は警察の責任について「大きな声で質問したのは取り調べで青木さんが合理的な説明をしなかったので供述を促すためであり、娘を助けられなかったことに関する質問も違法な取り調べとはいえない」などと主張していました。
また、起訴した検察の責任を問われている国は「警察が違法な取り調べを行ったとうかがわせるような報告は見当たらず、本人の意思による自白かどうかを疑うべき事情はなかった。住宅の焼損状況などから、当時、青木さんが仮に自白していなくても放火に関わったと考えることが合理性を欠くとはいえない」などと主張していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220315/k10013532661000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_001
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