昭和41年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定を受け釈放された袴田巌さん(85)の差し戻し審で、弁護側が証拠捏造(ねつぞう)の根拠として提出した専門家の鑑定書について、検察側が「考察が足りず不適当」とする意見書を東京高裁に提出したことが28日、関係者への取材で分かった。
差し戻し審では袴田さん逮捕の約1年後、みそタンク内で見つかった「犯行着衣」とされる衣類に付着した血痕の変色状況が争点となっている。血痕には赤みが残り、弁護団は昨年11月「(血痕を)みそに漬けた場合、数カ月で黒色化し、1年以上では赤みが残ることはない」とする専門家の鑑定書を提出。「衣類は発見直前に何者かがみその中に入れたもので、捏造だ」と主張している。
関係者によると、検察側は意見書で、独自に行った実験の結果、一定の条件下であれば約5カ月後でも血痕に赤みが観察されたと反論。鑑定結果は「新証拠とは認められない」とした。
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