「賛成すれば『反日』反対すれば『差別』」ゆれた最年少市議―武蔵野「住民投票条例案」否決の舞台裏(8日)TBS
■物議を醸した「住民投票条例案」
2021年11月19日、東京・武蔵野市で「住民投票条例案」が提出された。外国籍の市民にも、日本国籍の市民と同じ条件(18歳以上・市内在住3か月以上)で住民投票への参加を認めるこの条例案。
提出した松下玲子市長は「市の重要な課題について意見を表明する機会は、国籍にかかわらず(住民投票)制度として設けていく。多様性を力に変えて、多文化共生社会を実現する」と訴えた。
しかし、この条例案は、SNSを中心に大きな反発を受けることになる。自民党保守派の国会議員らが反対運動を展開すると、全国的にも注目を集めた。
直前まで賛否を明らかにしなかった1会派を残して、市議会では賛成・反対が拮抗。注目の採決が終わると、メディア各社は揃って速報を打った。その会派が反対に回り、賛成11・反対14で否決された。
■煽られた外国籍市民の“脅威”
条例案提出の翌日、自民党の外交部会長・佐藤正久参院議員がSNSで反応した。「15万人の武蔵野市の過半数の8万人の中国人を日本国内から転居させる事も可能」だとして、「中国からすれば格好の的」「行政や議会も選挙で牛耳られる」とツイート。1、7万を超える〈いいね〉が寄せられた。その後も、外国籍市民に市が乗っ取られるという懸念が、SNSでは拡散され続けている。
外国籍市民の脅威は、街頭でも喧伝された。自民党会派の武蔵野市議らが配布したビラには、不安・反対の声として「こどもたちは大丈夫なの?」「治安は悪化しないの?」という文言が並べられていた。
自民・公明両党が法案を提出し、2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法は、「地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」は許されないと宣言している。
ビラの内容は、「外国籍市民に対する敵意や恐怖心を煽る、ヘイトスピーチではないか」と私が質問すると、ビラを配った自民党会派の女性市議は、「市民の声をそのまま載せただけ。ヘイトスピーチするとか、差別するとか、そういったことは全く考えていない」と答えた。
■SNSから生まれ、拡大する「分断」
同様の住民投票条例は、神奈川・逗子市(2006年)と大阪・豊中市(2009年)で既に施行されている。両市の担当者によれば、どちらの場合も外国籍市民の参加について反対する声はなく、逗子市では全会一致で可決された。2000年代に相次いで可決された条例案が、なぜ今、これほど反発を受けるのだろう。
松下市長は「SNSの発達が、影響として大きいと思う」と指摘した。条例案に反対する市議も、「『武蔵野市が乗っ取られてる』と荒唐無稽なことを仰る方もいる。人々がそれを信じれば、分断が起きてしまう」とSNSが分断を生むことを懸念していた。
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https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4442967.html
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