「代表不在」サイバー捜査にただよう危機感 警察庁が組織を新設する理由(20日)時事
警察庁は、重大なサイバー攻撃を直接捜査する「サイバー直轄隊(仮称)」を2022年度に新設する方針を明らかにした。日本では現在、犯罪捜査は原則都道府県警察が担うとされており、発足すれば警察制度の大きな転換点となる。新設に踏み切った背景には何があるのか。国境を越えた攻撃に各国が連携して対処しているのに、日本は取り残されてしまう―。記者は取材を通じ、警察庁内にただよう一種の危機感を感じた。(時事通信社会部 鈴木英明)
国家警察への反省
警察制度について定めた警察法は1954年に制定された。戦前の国家警察に対する批判を踏まえた同法は、皇室の警備を担当する皇宮警察を除き、犯罪捜査は都道府県警察が行うと規定。警察庁の役割は指揮監督にとどまるとされた。治安維持法違反事件の捜査などに見られた権力乱用を防ぐためだ。
国内で企業などがサイバー攻撃を受けた場合、被害企業などが所在する警察が捜査を行っているのは、この規定に基づいている。だが、攻撃は海外のハッカー集団によるとみられるものも多い。このため、捜査を受け持った警察は警察庁を通じて各国に捜査協力を要請しているが、摘発まで行き着いた例はほとんどない。
乗り遅れ、走る衝撃
そうした中、警察庁幹部が衝撃を受ける事態が起きた。2021年1月、国家警察がサイバー捜査を担う米、英、仏、独といった欧米8カ国が世界規模で広まっていたコンピューターウイルス「エモテット」に対する共同作戦を実行、壊滅させたのだ。
エモテットの被害は国内でも確認されていたのに、なぜ、日本は作戦に参加していなかったのか。警察庁幹部は「加わるタイミングに乗り遅れたことが直接的な原因だが、背景には、サイバーの分野で国を代表する捜査機関がないことがあった」と説明する。
ちょうどこの時期、警察庁では警備局や生活安全局など、複数の局にまたがっていたサイバー関連部署の統合に関する議論が行われていた。「日本不在の壊滅作戦」はこの議論にも影響したとみられ、電力やガスなどのインフラ事業者などへの攻撃といった重大事案を直接捜査する直轄隊と、捜査を所管する「サイバー局」を新設することでまとまり、方針は21年6月に公表された。
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