日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐり背任容疑で逮捕された元日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)が、病院の医療機器調達の際に通常より1億3千万円分高い金額で購入させていた疑いがあることが22日、関係者への取材で分かった。調達契約を締結したのは、大阪市内の医療法人グループ「錦秀会」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)=同容疑で逮捕=の関連する業者とされ、東京地検特捜部は契約をめぐる不透明な資金の流れの解明を進めている。
医療機器を導入したのは、日大医学部付属板橋病院(東京都板橋区)。
関係者によると、板橋病院は今年、CTスキャンなどの医療機器7台を、籔本容疑者が実質的に保有する会社と取引がある医療機器関連業者を通じて購入した。
医療機器の調達契約は、日大から物品調達について業務委託を受けている関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)が担当。同社の取締役を務めていた井ノ口容疑者が主導したという。井ノ口容疑者は今月7日に逮捕された後、同社の取締役を解任された。
また、板橋病院では、医療機器を納入したのとは別の籔本容疑者が関連する業者を通じて、電子カルテのシステムを更新。この契約も日大事業部が主導し、5600万円分過大に支払われた疑いがあるという。
板橋病院では通常、医学部の教授などをトップとする常設の「物流委員会」が現場の医師などへのヒアリングなどをして医療機器を選定する。関係者によると、今回のCTスキャンの契約では、理事会での決定など日大が定めた最低限の手続きは踏んでいたものの、物流委員会が開かれないまま、購入する機器のメーカーや機種が選定されていた。
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