大阪府吹田市の交番で令和元年6月、警察官を襲い拳銃を奪ったとして強盗殺人未遂などの罪に問われた無職、飯森裕次郎被告(35)に対する裁判員裁判の判決が10日に言い渡される。犯行内容に争いはなく、統合失調症に罹患(りかん)した被告の刑事責任能力の有無が最大の争点。2度行われた精神鑑定の結論が分かれ、裁判では専門医同士の見解が対立する異例の展開となった。地域に恐怖や不安を与えた事件の社会的影響は大きく、どのような結論が下されるのか注目される。
「幼い僕を殺す警察官の姿が見えた。頭の中で友人が殺せと言った」「ひどいことをするやつらが山に潜んでいる。そいつらを拳銃で殺せと指示があった」
被告人質問で事件について問われ、はっきりとした口調で説明した飯森被告。耳を傾ける裁判員の表情には戸惑いも浮かんでいた。
裁判で示された証拠などによると、被告は約12年前に統合失調症を発症。目にした人すべてが頭の中に現れ、自分や家族を殺そうとするなどの幻覚や妄想に悩み、投薬治療を受けながら仕事を転々としていた。
事件の半年前から自ら申し出る形で薬を減らしたが、事件直前までに症状が悪化。幻聴の指示に従い、犯行に及んだとされる。
争点である責任能力をめぐっては起訴前と起訴後の2度にわたり精神鑑定が実施され、担当した2人の精神科医が証人出廷した。犯行に統合失調症が影響したという前提は共通しているものの、A医師は「犯行中の計画や行動すべてに病気が影響していた」と証言。これに対しB医師は「残された健常な精神機能で犯罪行為を認識していたといえる部分がある」と述べた。
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