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2021年7月11日 (日)

「石投げられるかも…」 五輪パラ組織委の「自宅からユニホーム着用」指示にボランティア困惑(11日)共同

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が7万人のボランティアに対して、活動日は自宅からユニホーム姿で通うように指示していることが分かった。一部の活動場所で更衣室がないことに加え、市中に祝祭感を演出する狙いがあるという。だが、新型コロナウイルス感染症拡大への不安から大会への批判は根強く、「道中で嫌がらせを受けかねない」と参加者に困惑が広がっている。 (原田遼)

◆続出した不満の声も届かず

 「参加者は不安の声を何度も上げていたのに、何も変わらなかった」。本紙の「ニュースあなた発」に投稿した男性ボランティアは憤る。
 男性は6月下旬、ある競技会場で活動するボランティアを対象にした研修会に参加。その場で組織委の担当者から「ユニホーム姿で会場に来るように」と説明があったという。
 6月上旬の研修会でも同様の指示があった。「会場に更衣室がない」という理由だった。その際は複数の参加者が大会への批判を念頭に「ユニホームを着て通いたくない」と反発。知人の参加者は組織委に抗議のメールも送ったという。しかし結局、見直しはされなかった。男性は「仮設でいいから着替える場所を作ってほしい」と訴える。
ビーチバレー会場で活動する女性も組織委から同様の指示を受け、更衣室の問題に加えて、「街に祝祭的な彩りを与えてほしい」という理由も挙げられたという。女性は「周りの参加者はあぜんとしていた。私は最寄り駅のトイレなどで着替えるつもり」と話した。

◆ワクチン接種も進まず

 ボランティアは来日する選手や関係者と接するため、感染リスクがある。組織委は6月下旬からワクチンの優先接種を進めているが、開幕までに2回目の接種が完了しない人が多い。
 参加者の50代女性は「自分が感染して、周囲に広げる可能性もある。目立つユニホームを着て電車に乗れば、どう思われるか。石を投げられるんじゃないか」と嘆いた。

◆組織委「盛り上げるため」

 組織委は本紙の取材に対し、「原則自宅からユニホーム着用をお願いしている」と説明。「ユニホームを着ていただくことで、大会の雰囲気をボランティアの皆さんと一緒に作り上げていきたい」とする。
 組織委が募集する大会ボランティアは延期前に8万人いたが、コロナ対策の不安や組織委への不信感などから1万人が辞退した。冒頭の男性は「今の状況では、街でユニホームを見て、市民が盛り上がるはずもない。コロナ対策に手いっぱいで、ボランティアの気持ちは考えてくれていないんだろうな」と、組織委との心の距離を嘆いた。

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