工藤会トップ公判が結審、8月24日判決へ 福岡地裁(12日)朝日
四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)のトップで総裁の野村悟被告(74)とナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)の公判が11日、福岡地裁(足立勉裁判長)であり、弁護側が最終弁論で改めて無罪を訴え、結審した。判決は8月24日に言い渡される。
両被告は市民4人が殺傷された4事件で殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われた。検察側は、両被告が事件に直接関与した証拠がないなか、1月の論告で「両被告には襲撃の動機があり、犯行状況から工藤会の組織的な犯行が明らか」として、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役、罰金2千万円を求刑した。
最終弁論で弁護側は「間接証拠の評価が極めて恣意(しい)的で、強引に両被告と結びつけるために他の合理的な仮説を考慮せず、独善的な推認に終始している」と検察側の主張を批判した。
1998年2月に北九州市で起きた元漁協組合長射殺事件では、田上被告が一度不起訴になったことや、無罪が確定した男性を共犯者として検察側が起訴内容に盛り込んだことから、弁護側は「無謀な起訴」と批判した。
さらに、実行役が事件前に野村被告の関与をうかがわせる発言をしたとの証言を検察側が重視している点についても「事件前にわざわざ言う必要はなく、不合理で不自然」と指摘。田上被告が組員に事件に関する話を禁じたことを「口止め」と検察側が指摘した点にも「うわさ話が広がれば疑心暗鬼を生む。幹部として当然のことで口止めではない」とした。
このほか、2012年4月に北九州市であった元福岡県警警部銃撃事件、13年1月に福岡市であった看護師刺傷事件、14年5月に北九州市であった歯科医師刺傷事件についても両被告が事件に関与したことをうかがわせる証言は「信用できない」と主張した。
両被告はこの日、黒っぽいスーツにマスク姿で一礼して入廷した。最終意見陳述で、野村被告は「どの事件も一切関与はない。私は無罪です」。田上被告は「少しでも私が関与したことはありません。あまりにずさんな裁判です」と述べた。
検察側は組織トップの了解なしに事件を起こすことはあり得ないとして、野村被告らが事件を主導したと主張している。これに対し弁護側は公判後の取材に「下の者が勝手にやる場合もある。そういった反対の仮説を考えないのは問題だ」と述べた。
https://www.asahi.com/articles/ASP3C7H60P3CTIPE00X.html
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