避難確認10分後に土砂崩れ 集落救った消防団の「勘」 日田市天瀬町(20日)西日本
まさに間一髪の避難だった-。7月の記録的豪雨で大分県日田市天瀬町の杉河内地区は、土砂崩れにより住宅4棟が全半壊したが、犠牲者は出なかった。土砂が襲った周辺の住民が避難を終えたのは、その10分前。そこには消防分団長の的確な指示と、予兆を見逃さなかった団員の深夜の避難誘導があった。「消防団に命を救われた」。住民からは感謝の声がやまない。
山浦川沿いの山あいにある杉河内地区では、約30世帯が寄り添うように暮らす。市消防団天瀬方面団第6分団の団員13人は激しい雨が降り続く7月7日早朝から、浸水被害が出ていた近くの天ケ瀬温泉街で土のう積みや住民の避難誘導に追われていた。
その日の夜、雨はいったん小康状態になった。午後8時ごろ、自主避難所の小学校に避難していた地区住民の一部から「帰宅したい」との声が出た。小学校で指揮していた小野修分団長(50)は「川が増水したら絶対避難するように」と団員4人に強く伝え、住民と一緒に帰宅させた。
「土砂崩れが起きるかもしれない」。小野さんは、川の氾濫以上に裏山が気になっていた。今まで崩れたことはなく、兆候があったわけでもない。約30年間、現場で活動してきた消防団員としての「勘」だった。
午後11時ごろになると、再び雨脚が強まる。山浦川は増水、裏山の山肌から小さな岩が落ち始めたのを地区に戻った団員たちは見逃さなかった。「分団長の言う通り、急いで避難しないと」。4人は就寝中の4世帯を一軒一軒回り、渋る高齢者も説得して誘導した。
小さな岩が崩れた周辺にいた住民全員が小学校に避難したことを確認した10分後だった。「ドン」という揺れと「バキバキ」という土砂崩れの音が約500メートル離れた小学校に響いた。
「日頃から住民や団員に、避難の重要性を口酸っぱく言い続けてきた。みんなの危機意識も高かった」。小野さんは奇跡的な「人的被害ゼロ」を成し遂げたのは、地区全員の力だと思っている。 (鬼塚淳乃介)
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