東京都、小池知事会見録を密かに改変 「アクリル板ですき焼き」発言も削除(19日)共同
東京都がホームページで公開している小池百合子知事の記者会見録の一部を、担当部署が削除したり、書き換えたりしていることが、都への取材で分かった。都によると、本年度だけで少なくとも9件あった。事実関係が間違っている場合などに注釈も付けず改変していた。周辺県などで同様の対応をしている例はなく、都は「修正の方法を変更する」としている。(原昌志)
◆間違いや感想を削除や書き換え
都政策企画局によると、改変は5月15日の定例記者会見など6回の会見で行われた。いずれも新型コロナウイルス対策に関連する質疑だった。
同日分の会見録では、感染拡大でアルバイト先を失った大学生らを都がアシスタント職として雇う事業に関連した発言を削除。知事は「授業をしておられる方々にもサポートをし」と語ったが、担当部署は対象外の教授や講師を指した発言と判断し、削除したという。同月29日は、飲食店などへの時短営業要請を巡り、「接待を伴う飲食店」が当時は休業要請対象だったのに、知事は午前零時まで営業可能になると説明したため削った。
7月3日の会見では、知事は飲食店が感染防止対策でアクリル板を設置している取り組みに触れ、「アクリル板を作ってすき焼きを食べて、おいしいかっていうのはよく分かりませんけれども」などと語った。しかし会見録では「読みやすさ」を理由に削除。この発言はネット上で直後から「ばかにしている」「飲食店の努力を嘲笑」などの批判が出たが、都の担当者は「批判を受けたためではない」としている。同日は他にも日付の間違いなど3件を修正していた。
本紙が確認できた範囲では、石原慎太郎知事時代は発言の間違いは、当該部分に「※」を付けるなどして本文中で正しい説明を表記。例えば、2007年12月21日の会見で、石原氏は地球温暖化防止の京都議定書を批准していない国としてオーストラリアを挙げたが、会見録では注釈で「12月3日に批准」と付記した。
小池知事になってからも、17年10月の会見で2028年夏季五輪の開催都市を「ロンドン」と言い間違えた際は、括弧書きで「正しくはロサンゼルス」と訂正している。
◆「正確にするため。他意でも忖度でもない」都の担当者
一連の改変は、7月の知事会見録で本紙記者との質疑が一部消えていたことを問い合わせて判明した。この部分は18日に元の発言のまま記載された。政策企画局は取材に「いつから現在の運用にしたかは分からない。正確な事実関係を伝えるためで他意はない。忖度でもないが、今後は書き換えや削除はせず、注意書きで補足する」と答えた。
改変は担当部署の判断で行い、知事には報告していないという。会見録と合わせて公開している映像には、改変はなかった。
◆近隣県、首相会見では間違ってもそのまま掲載、注釈で訂正
首長会見などの記録を自治体のホームページで掲載するのは、行政の説明責任や情報発信の点から一般的になっている。首都圏では神奈川、埼玉、千葉各県はいずれも、知事の発言に間違いがあった場合でも元の発言を残したまま、会見録で補足して訂正している。
各県の担当者は「誤った発言もそのまま載せる必要があると考えている」(神奈川県)、「発言してしまった以上、あえて残す」(埼玉県)、「発言はそのまま。映像との整合性もある」(千葉県)と話す。
内閣官房によると、首相会見も間違った発言はそのまま掲載し、注釈で訂正。官房長官会見は1日2回と頻度が高いことから、冒頭発言のみ文字化し、映像をそのまま公開している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/49659?rct=t_news
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