「正直痛い」九州の観光地も悲鳴 新型肺炎で消えた“春節特需”(27日)西日本
新型コロナウイルスによる肺炎の封じ込め策として、中国政府が27日から国外への団体旅行を禁止する。九州の観光地は26日も多くの中国人客でにぎわったが、大型クルーズ船の寄港キャンセルが決まるなど既に影響が出ており、春節(旧正月)の特需に期待していた関係者からは悲鳴に近い声が上がった。
「かなり厳しい」。福岡市博多区で飲食施設を運営する「KISS福岡」の牧山強社長は顔を曇らせる。クルーズ客を当て込み千席のフードコートや免税店を備える同施設は、約9割が中国人で団体客中心。入り口での消毒、従業員のマスク着用を徹底してきたが、今回の決定にはなすすべがなかった。博多港のホームページによると、28日到着予定の大型クルーズ船(定員3780人)が寄港を取りやめた。
牧山社長は「既にキャンセルが出ている。まん延を防ぐためにしょうがない面もあるけれど、週明けは大パニックになる」と天を仰いだ。
福岡空港国際線ターミナルでは26日、北京など中国から計10便が到着。上海から来たリ・ウェンディさん(24)によると、旅行会社からキャンセルされ日本行きを諦めた友人もいるという。リさんは「早めに日程を組んでよかった」としつつ、「上海でも死者が出てとても怖い」とも。空港内の売店ではマスクを買い求める人の姿も目立った。
福岡市・天神の商業施設も不安を募らせている。博多大丸ではインバウンド客の売り上げのうち中国人が毎月7割強あり、日韓関係の冷え込みによる売り上げのマイナス分を補うほど好調だった。「最も打撃を受けたくない国のお客さまで、正直痛い」と担当者。中国大手のスマートフォン決済サービス「アリペイ」の割引クーポンを配信するなど春節効果に期待していた福岡パルコは「売り上げに影響する可能性がある」と気をもむ。
懸念は宿泊業にも広がる。JR九州ホテルブラッサム福岡(同市)ではこの時期、中国人の宿泊が普段の3~4割増えるといい、担当者は「キャンセルの場合は価格を調整してその分を取り込むしかない」。同市の西鉄グランドホテルでは、中国からの個人旅行客1組のキャンセルが出た。
中華街を中心に「長崎ランタンフェスティバル」を開催中の長崎市。実行委員会は「来場者は国内が中心で影響は少ない」とみる。ただ、近くのドラッグストアは外国人を取り込もうとキャッシュレス決済を導入しており、店長は「中国人の売り上げがなくなったらダメージは大きい」と不安を口にした。 (小川祥平、阪口彩子、西村百合恵、華山哲幸)
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