「被害者の命、軽視されている」 遺族が涙 大阪・南通り魔事件(3日)産経
大阪・心斎橋の路上で平成24年6月、通行人の男女2人を無差別に刺殺したとして殺人罪などに問われ、1審裁判員裁判の死刑判決が2審で破棄され無期懲役となった礒飛(いそひ)京三被告(44)の上告審判決で、無期懲役とした2審判決が確定することになった。最高裁判決を受け、犠牲となった南野信吾さんの妻、有紀さん(49)が2日、東京都内で会見し、「こんな判決を聞くために7年半も待っていたわけじゃない。なぜ被告の権利ばかりが主張され、被害者の命が軽視されないといけないのでしょうか」と涙を見せた。
バンド活動に青春をささげ、メジャーデビューも果たした南野さん。3人の娘に恵まれた幸せな生活は突然、断ち切られた。
1審大阪地裁の裁判員裁判。証人出廷した有紀さんは、夫の死を受け入れられないと胸中を明かし、「幸せな未来を奪った犯人を許せない。極刑を望みます」と涙ながらに述べた。判決公判で後回しにされた主文が法廷に響くと、遺族は静かに両手で顔を覆った。
だが、2審大阪高裁の控訴審で状況は一転した。
南野さんの父が被告人質問で控訴の理由を問うと、「死刑が怖くなった」と答えた被告。遺族は「1審判決に従ってもらうことがたった一つの望み」と強調したが、高裁は死刑回避を選択。最高裁も追認した。
有紀さんは「裁判員裁判が導入された意味があるのか非常に疑問。公平性の観点からいえば、落ち度のない2人の命を奪った被告は2度死ななければいけないと思う」と訴えた。
会見には中学2年の長女(14)も出席、「頑張って決めてくれた裁判員の人たちの気持ちが無駄になってしまった。私たちが大人になったときに同じことが繰り返されないように裁判員裁判の意味をもう一度考えてほしい」と話した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191202/afr1912020051-n1.html
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