警視庁管内体感治安レベル2

首都東京体感治安(２、３日　単位・レベル)

犯罪も変わったものだ
【治安うんちく】
　誘拐事件と言えば忘れることができないのは「吉展ちゃん誘拐殺人事件」だ。
　昭和３８年に東京都台東区入谷町の建築業者の長男で村越吉展ちゃん（当時4歳）が誘拐され、身代金５０万円を要求されたあげくに殺害された事件がある。昭和の時代の名刑事といわれた平塚八兵衛さんが犯人の小原保を逮捕、自供させた事件だ。
　さらに、新しい事件としては昭和６４年に東京、埼玉で発生した連続幼女誘拐殺人事件がある。例の「宮崎勤事件」。そして平成１８年には東京・渋谷区の女子大生（２１）が自宅近くの路上から誘拐され、身代金３億円が要求された事件など上げればきりがない。
　しかし、その身代金誘拐事件も成功率が低いことから今はすっかり姿を消している。
　ところが、新たな手口も登場した。
　今年９月、ツイッターで知り合った１０代の中学生少女を民家にかくまったとして埼玉県本庄市の自営業の男（３７）が誘拐容疑で逮捕されている。当然、身代金の要求などない。
　さらに同じ９月には東京・練馬区の路上で、下校途中の小学生の女子児童を車で誘拐して監禁、わいせつ行為をしたとして、３６歳の男が警視庁に逮捕された。身代金ではなく、わいせつが目的。
　身代金目的誘拐事件は電話が犯罪ツールだったが、SNSというツールが登場しており、昭和の時代とは違っている。
　警察庁によると今年９月現在の略取誘拐・人身売買の認知件数は２２１件で前年同期に比べて１９件の減少。減少と言っても９月として過去５年間では最悪だった昨年の２４０件をわずかに下回った程度だ。
　ランキングは大阪の３４件、東京の２５件、兵庫の２２件、愛知の１４件、茨城と神奈川が各１０件と続く。大きな特徴としては宮城と福島が各+５件など東北地方が増加していることだ。
　一方、検挙率は８６．９%。ランキングは鹿児島の２００%、広島の１３３．３%、群馬、滋賀、京都、高知、沖縄など１００%が２４県もあった。
低かったのは宮城の２８．６%、石川の３３．３%、大阪の５８．８%、福岡の６２．５%、千葉の７１．４%となどとなっている。
　但し問題は平成２９年の年間起訴率が２７．６%と低い。検挙率が高くても起訴率が低いのでは……　
　　首都・東京体感治安は「レベル２（ブルー）」とする。

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