関電、深まる闇=疑惑次々、経営に打撃-金品授受問題(6日)時事
関西電力幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から約3億2000万円分の金品を受領した問題。長年にわたるいびつな依存関係の結果、関電はガバナンス(企業統治)不全に陥った。調査報告書の公表後も次々と疑惑が浮上しており、闇は深まる一方だ。
◇情報提供、業者から現金
「地元の有力者である森山氏との関係悪化を避け、原発を安定的に運営したい思いがあった」。岩根茂樹社長は2日の記者会見で、金品授受の理由を説明した。しかしその後、原子力とは別部門の工事に関する森山氏への情報提供などが発覚。同氏と関係が深い建設会社「吉田開発」から現金を受領した事例も明らかになった。
関電は年内をめどに、他の原発立地地域などに範囲を広げた第三者委員会による再調査を実施する。「全てのうみを出し切る」(八木誠会長)とするが、隠蔽(いんぺい)体質への不信感は強い。筆頭株主である大阪市の松井一郎市長は、第三者委に市の推薦者を加えるよう求めており、橋下徹元市長の名前も浮上している。
◇辞任「不可避」の声
問題は関電の経営を直撃している。9月27日の最初の会見以降、株価は10%強下落。原発事業への逆風は強まり、関電が目指す原発3基の再稼働や、使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設選定も難航が予想される。電気料金を原資とする「原発マネー」が還流した構図に、顧客流出も避けられない。
岩根、八木両氏は4日、日本生命保険など社外の役職を退くと各社に伝えたが、岩根氏は電気事業連合会会長、八木氏は関西経済連合会副会長を引き続き兼務する見通し。ただ、4日召集された臨時国会では野党が金品受領問題を追及する構えで、「辞任は不可避」と見る関係者は多い。
◇事件化困難か
関電幹部らが上乗せした金額で工事を発注していたり、不正に便宜を図ったりしていれば、会社法の特別背任罪や収賄罪が成立する余地もある。
特別背任罪は、自己や第三者の利益を図るなどの目的で会社に損害を与えたことが要件となる。関電の報告書は、幹部らは金品を押し付けられただけで、工事金額も適正だったと指摘。検察関係者も「森山氏側が持ち掛け、引きずり込む目的だったのは明らかだ」と成立に否定的だ。
一方、会社法の収賄罪は、金品提供者から不正行為の依頼があったことが要件で、適用例はほとんどない。「刑事告発されれば捜査するしかない」(別の検察関係者)が、立件のハードルは高い。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100500521&g=soc
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