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2019年10月17日 (木)

女性殺害事件の被害者の名前はなぜ匿名になったのか (17日)共同

「児童の特定につながりますので、報道には配慮を願いたい」。4月に北谷町で起きた在沖米海兵隊所属の海軍兵の男による会社員女性殺害事件。本紙は当初、県警発表に基づいて被害者の実名を報道した。すると被害者の子どもが通う学校から本社編集局に連絡があり、配慮を求められた。
 新聞では事件事故の実相を知らせると同時に、真実性の担保のために被害者の実名報道を原則としている。ただし、被害者が性的被害を受けた可能性がある場合などは匿名で報じるなど例外はある。実名・匿名の判断はそれぞれの事案でその都度、慎重に判断する。
 北谷の事件の場合、紙面について話し合うデスク会議で協議し、残された子への影響を考え、本紙は匿名報道に切り替えることを判断した。遺族への取材の向き合い方や被害者の人となりをどう伝えるかなどに配慮し、知り得たことを全て記事にするわけではない。
 しかし、時に実名報道への批判も上がる。遺族の不利益を生むこともあり、実名で伝えることの意義が社会からの全面的な理解を得ているとは言い難いのが現状だ。
 実名で伝えること。それは被害者がこの地この時に生きたことを記録し、事件事故の教訓を伝えるためでもある。北谷の事件では被害者の知人たちが「事件を無かったものにしたくはない。風化させないでほしい」との思いで、積極的に取材に応じてくれた。その結果、日米捜査機関の情報共有不足が、被害者の命を守れなかった背景にあることが浮き彫りになった。
 また、報道機関が匿名報道を続ければ、捜査機関が被害者の「匿名発表」を原則とする日が来る懸念もぬぐえない。第11管区海上保安本部は水難事故の死亡者を発表する際、「遺族の確認が得られていないので、氏名公表は控えてほしい」などとただし書きをする。県警も広報文に「遺族は実名公表を望んでいない」と記載する事例が増えた。
 だが、氏名が公表されないと検証取材をする際に大きな足かせとなる。遺族や関係者に話を聞く機会が失われ、なぜ起こったのか、なぜ防げなかったのか、事件や事故の背景を伝えられず風化が早まる可能性がある。捜査機関の原則実名発表は必要だ。
 「事件を無かったことにされたくない」。身内や知り合いの死という苦しい現実を前にしても「伝えてほしい」と託されたならば、その思いに応え、真実に迫る。被害者や遺族の尊厳が保たれ、事件事故の再発防止につながる報道に向け、模索は続く。
 ◇   ◇
 第72回新聞週間が15日に始まった。新聞は実名報道が原則だが、最近は事件事故などで氏名を伏せることが増えている。その中で、読者に正確な情報を伝える新聞の使命をどのように果たしていけばいいのか。直面する課題や記者の思いを紹介する。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1009648.html
 



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