「全て無罪です」工藤会トップ主張 市民襲撃4事件、福岡地裁で初公判(23日)共同
特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとされる四つの市民襲撃事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の罪に問われた同会トップで総裁の野村悟被告(72)と、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(63)の初公判が23日午前、福岡地裁(足立勉裁判長)で始まった。罪状認否で野村被告は「四つの事件全てについて無罪です」と述べ、田上被告も「全く関与していない」と無罪を主張した。
福岡県警による「工藤会壊滅作戦」から5年。両被告が全面無罪を主張する中、検察側が組織の指揮命令系統を明らかにし、実行犯らとの共謀を立証できるかどうかが焦点となる。
両被告が起訴されているのは(1)元漁協組合長射殺(2)元福岡県警警部銃撃(3)看護師刺傷(4)歯科医師刺傷-の各事件。このうち、(2)~(4)の3事件では、組員の判決で、野村被告の指揮命令に基づき実行されたと認定され、確定した。
冒頭陳述で検察側は(1)について、元組合長やその親族が北九州市の港湾事業を巡り同会側の利権介入を拒んだことが背景にあると主張。(4)の被害者は元組合長の孫で漁協幹部の息子に当たり、「利権介入を拒む漁協幹部を屈服させるため、被害者の襲撃を考えた」などと述べた。
(2)に関しては、工藤会捜査に長年携わった元警部が会を離脱した組員に接触した際、野村被告を批判する内容を話したことへの報復だったと説明。(3)では、野村被告が受けた下腹部手術に関し、看護師の術後対応への怒りが背景だとした。
一方、罪状認否で、野村被告の弁護側は「いずれの事件も共謀しておらず、指揮命令をしたことはない」と主張。田上被告側は「いずれについても無罪」などと述べた。(1)については田上被告が2002年に殺人容疑で逮捕され、不起訴処分となった経緯があり、両被告の弁護側は「公訴権の乱用に当たる」とした。
両被告の公判は裁判員裁判の対象だが、地裁は「裁判員へ危害が加えられる恐れがある」として裁判官のみでの審理を決めている。
起訴状によると、両被告は実行犯らと共謀し1998年2月、元漁協組合長を銃撃して殺害したとされる他、野村被告の指揮命令に基づき2012年4月に元警部を銃撃、13年1月と14年5月には看護師と歯科医師を刃物で刺してそれぞれ殺害しようとしたとされる。
この日の初公判では一般傍聴席18席に対し、273人が傍聴券を求めた。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553318/
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