警視庁管内体感治安レベル２

首都東京体感治安（１０、１１日　単位・レベル）
女ストーカー逮捕                                      
【治安うんちく】
 　平成１０（１９９８）年の暮れだった。東京葛飾区柴又で女子大生（２１）が刃物で切られて殺害され放火された事件で、警視庁の捜査１課の幹部が私にこんなことを漏らした。
　「アメリカにストーカーという者が相手を殺害する事件があると聞いた。この事件もストーカー事件ではないのかと思うんだよ」。あの事件から２３年が過ぎた。
　ストーカー行為に対する法律は１９９０年代に欧米で女性を狙うストーカー事件が増加。アメリカ、イギリス、オーストリア、カナダで規制する法律が制定され、日本では埼玉県桶川での女子大生殺人事件をきっかけに平成１２年１１月に施行されている。
　８月には人気アイドルグループの中島裕翔さん（２６）に付きまとったとして、ストーカー規制法違反容疑で東京都品川区の２０代の会社員の女が警視庁に逮捕され、お笑いタレントのふかわりょうさん（４４）に付きまとったなどとして、元芸人のアルバイトの女（４１）が逮捕されている。
　このほか、女性タレントへのストーカー行為で執行猶予中だった男（４１）が、同じ女性タレントにＳＮＳで繰り返しメッセージを送ったとして警視庁に逮捕されるなどストーカー行為に女も男も関係ない。
　警察庁によると平成３０年のストーカー行為等の規制法等に関する法律違反の検挙件数は、刑法犯・特別法犯で１５９４件、ストーカー規制法で８７０件。
　刑法犯・特別法犯の中味で最も多いのが住居侵入で３１１件、次いで脅迫の２３１件、暴行の１４９件、迷惑防止条例違反の１２９件、器物損壊の１２１件など。
　施行された平成１２年の刑法犯・特別法犯は１０２件、ストーカー規制法が２２件だったが、２８年には刑・特が１９１９件、ストーカー行為が７６９件になるなど年々増加していった。
　相談件数も平成１２年は２２８０件だったが２８年には２万２７３７件に激増している。今年８月に逮捕された被害者は男性タレントだが、被害者で約９割近くは女性で男性は１割りに過ぎない。
　ストーカー事件－被害者が「つきまとわれている」と分かれば対処方法があるのだが、陰でじ～っと監視されている陰湿なストーカーほど怖いものはない。
　首都・東京体感治安は「レベル２（ブルー）」とする。
　

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