【都民の警察官横顔(4)】住民との信頼関係が支え 福生署石畑駐在所 倉澤秀幸警部補(52)(8日)産経
7月中旬、祭りの警戒活動を終え、一緒に巡回していた住民らとねぎらい合いながら差し入れのおにぎりを頬張った。福生署石畑駐在所(瑞穂町)に着任して18年。当初、頭をよぎった「よそ者」という意識はなくなった。「駐在の仕事ができるのは地域の助けがあってこそ」。顔なじみの男性から「倉ちゃんお疲れさま」と声を掛けられ、思わず笑みがこぼれた。
約2千世帯を管轄する石畑駐在所で、警察官は自分だけ。安心安全のため、一緒に地域を見守ってくれる住民の存在は欠かせない。
平成16年以降、周辺地域で相次いだ連続放火事件。住民と顔を合わせるたび「何かあれば連絡を」と呼び掛けた。しばらくして寄せられたのは「昨晩、息子が放火現場近くで怪しい男と車を見た」という情報。署内で共有され、容疑者逮捕のきっかけになった。「事件解決のため、地域の人たちも目を光らせてくれている」と実感した。
駐在所に着任後、住民同士のつながりが強い地域に溶け込んでいけるかという不安があった。警察学校時代の担当教官から異動前に聞いた「駐在の仕事は学童整理から始まる」という言葉を胸に刻み、毎朝、本来の勤務開始より1時間以上早く通学路で交通整理を続けた。「駐在の仕事は昼夜を問わない」。大先輩の助言をこう解釈している。
数年後、住民から「倉ちゃん、ずっとここにいるの?」と尋ねられ「退職までいます」と答えた。「そうか」とつぶやく住民の表情が和らいだような気がした。不安は消え、「住民として認めてもらえたのかな」と初めて感じることができた。
心がけているのは「住民の相談には親身に応じる保安官でいる」ことだ。困り事に耳を傾け、見通しが悪い場所や交通量の多い裏道での交通整理を続けてきたという自負がある。「地味な活動の積み重ねが信頼につながったのかな」と振り返った。(上田直輝)
◇ くらさわ・ひでゆき 東京都出身。平成元年入庁。第8機動隊、第5機動隊などを経て13年から現職。妻、康子さん(49)と長男、次男、三男の5人暮らし。50歳まで趣味のレーシングカートに打ち込み、地域住民がピットの手伝いに来てくれたこともある。
https://www.sankei.com/affairs/news/190808/afr1908080004-n1.html
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