女子の手に交際相手の名前…中学からデートDV (17日)読売
交際相手からの言葉や体の暴力「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)」の予防・啓発を行う認定NPO法人「エンパワメントかながわ」(横浜市神奈川区)理事長の阿部真紀さん(57)が昨年末、長年の活動をまとめた本「暴力を受けていい人はひとりもいない」を出版した。講座などで全国の中高生らと接してきた阿部さん。活動の経緯とともに「自ら変わろうとする強さ」を発揮してきた子供たちの姿をつづった。
団体設立は2004年4月。阿部さんはそれまで別のNPO法人スタッフとして、いじめや虐待から身を守る方法などを小学校などで伝える活動に従事していたが、03年に報道で「デートDV」という言葉を知り、強い関心を持った。
DVは、暴力によって支配と従属の関係が生まれ、被害者の方が「自分が悪い」と思うのが特徴。当時、配偶者間の暴力が対象のDV防止法が01年秋に施行されていたが、恋人からの暴力は規制の対象外で、阿部さんは新たに「デートDV」防止に取り組むことで「家庭内のDVや、その延長で起きる児童虐待も防げるのでは」と考えた。
当初、デートDV自体はそれほど深刻なものだと思っていなかったが、初めて開催したワークショップ(講座)で出会った女子高校生の話を聞き、被害の実態に衝撃を受けた。女子生徒は中学時代、交際相手の少年に塾をさぼるよう求められ、拒否して別れたが、その後、少年が非行で鑑別所に入所。自分のせいだと思い詰める女子生徒の手には、少年の名前のタトゥー(入れ墨)が彫られていた。
「デートDVは中学でも始まっている」。危機感を持った阿部さんは、中学でのワークショップにも力を入れ、全国各地の学校などを回って年間100件以上開催。どんな関係がデートDVに該当するのか、スタッフが寸劇で説明し、子供たち自身に解決策を話し合ってもらってきた。
ワークショップ後には、子供たちから相談を受ける場を設け、じっくり話を聞いた。「指導する」という姿勢ではなく、あくまで対等な人間として接するように心がけてきた。すると、被害者が自身の被害に気付くだけでなく、男子中学生が「僕のしていたことはデートDVだった」と涙を流して後悔するなど、多くの加害者も変わっていった。
「大切なのは子供を信じること。大人が真摯に耳を傾ければ、子供たちは変わる力を持っている。自分がデートDVを受けている、していると気付くことが大事」と阿部さんは訴える。
11年に電話相談窓口「デートDV110番」を設け、昨年は全国の関係団体で連携しようと、「デートDV防止全国ネットワーク」も設立。阿部さんは「デートDVの認知度が上がり、社会は着実に変えられると実感している。いずれ、全ての10代が予防教育を受けられるようにしたい」と話している。(野口恵里花)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190217-OYT1T50147/
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