処分警官「しっぽ切りだ」 金塊盗捜査情報漏えい疑惑 「組織守るため」愛知県警が辞職迫る 県に不服申し立て(24日)共同
博多金塊事件を巡る捜査情報漏えい疑惑に関連し、停職6カ月の懲戒処分を受けた愛知県警の巡査部長(31)が、処分を不服として同県人事委員会に審査請求を申し立てていたことが分かった。愛知県警は金塊事件で「漏えいはなかった」と結論づける一方、別の事件で捜査情報を漏らしたとして巡査部長を処分していた。西日本新聞の取材に、巡査部長は「組織を守るために辞めてくれと何度も言われた。漏えい疑惑を小さく収める『しっぽ切り』に使われた」と訴えた。請求が認められなければ提訴する方針という。
今月初旬、愛知県内で取材に応じた。巡査部長は2017年6月~18年7月に県警や名古屋地検から計30回の取り調べを受けたが、「金塊事件についてはほとんど聞かれなかった。不思議だったので、取調官に『金塊事件の情報漏えいを解明するんじゃなくて、僕を挙げる(処分する)ために来たんですか』と聞いた」と証言した。
取り調べでは毎回罵声を浴びせられたといい、17年9月5日に「悪いやつはおまえしかいない。おまえが責任を取ることで決まった」と告げられた。昨年2月2日には所属の上司から「本部から連絡があり、おまえが依願退職することが決定した」「組織を守るために辞表を書いてほしい」と説得されたという。
同年9月20日、名古屋市内の風俗店経営者に薬物事件など2件の捜査情報を漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検=不起訴=され、飲食接待を受けたことも含めて懲戒処分された。ただ、約2カ月前には取調官から「経営者の聴取もやってないから立件はできないよ」と伝えられていたという。
巡査部長は「上司から経営者をS(捜査協力者)に取り込むよう指示されていた。具体的な情報は一切漏らしていない」と否定。飲食接待については「代金の受け取りを拒否されたのでその日のうちに上司に報告した。当時は『問題ない』と言われた」などと反論する。
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金塊事件については主犯の野口和樹被告(43)の知人だった経営者に対し、無料通信アプリLINE(ライン)や電話で「愛知(が捜査)やってました」「福岡県警が50人態勢で捜査している」と伝えたことを認めた。
続く
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