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2018年8月16日 (木)

迫る72時間 奇跡の生存 山口男児保護、専門家に驚き (16日)日経

 山口県周防大島町で行方不明になり約68時間後に保護された藤本理稀ちゃん(2)は地元住民が近づかない山中で、はだしの足を沢水につけていた。生存率が下がるとされる72時間が迫る中、捜索ボランティアの経験と直感が保護につながった。小児科医らは「奇跡の生存」と驚き、2歳児ならではの特性が体力消耗を防いだとの指摘も出ている。
 「子供は上に登りたがる習性がある」。大分県日出町から来た捜索ボランティアの尾畠春夫さん(78)は判断した。2016年に同県佐伯市で行方不明になり、山中で見つかった2歳女児の捜索に加わった経験があった。男児が祖父らと別れた場所を参考に山道を進むと、沢の真ん中のこけむした石の上に、ちょこんと座る小さな男の子の姿を見つけた。

 頭には木の葉がたくさん付着していた。声を上げることはなく、表情はさほど変えなかった。目には力があり、抱きかかえると、小さな体をくっつけてきた。搬送先の病院によると、かすり傷とダニに刺されたような痕があったという。
 12~14日の周防大島町は30度を超える連日の真夏日。愛媛大小児科の石井栄一教授は「乳幼児は、水分摂取が欠かせない。大人以上に脱水症状になりやすい」と指摘。「日陰にいて汗が少なかったのかもしれないが暑い環境下で生存できたのは驚きで、3日というのはほぼ限界に近い」と話す。
 子どもの発達心理に詳しい恵泉女学園大の大日向雅美学長は、2歳児は自分が置かれた状況を客観的に見ることが難しいとし「恐怖心から歩き回ったり、絶望したりすることが少ない。判断・認知能力の未発達がストレスや体力の消耗を防いだ可能性がある」と推測した。
 NPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」の宮田美恵子代表は「熱中症が一番懸念されたが、沢の近くで日陰を見つけ、水を飲んだ可能性もある。奇跡的な好条件が重なった結果ではないか」と驚いていた。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34197160V10C18A8AC8000/

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