DNA鑑定どう評価=袴田事件、手法めぐり応酬-再審可否11日判断・東京高裁(9日)時事
再審の扉は開くのか。静岡県で1966年に一家4人が殺害された「袴田事件」の第2次再審請求即時抗告審で、東京高裁は11日、袴田巌さん(82)の再審を開始するか否かの判断を示す。裁判のやり直しを認めた静岡地裁決定から4年余り。地裁判断の決め手となったDNA型鑑定の信用性の評価が最大の焦点だ。
事件は66年6月30日に発生。同県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務宅が放火され、4人の遺体が見つかった。県警は約1年2カ月後、近くのみそタンクから大量の血痕が付いたシャツやズボンを発見。確定した死刑判決は、これらの衣類を袴田さんのものと認定した。
2008年申し立ての第2次再審請求審では、技術の進歩で、第1次請求審ではできなかった血痕のDNA型鑑定が実現した。袴田さんの型は検出されず、地裁は14年、「無罪を言い渡すべき新たな証拠」と判断。袴田さんは逮捕から48年ぶりに釈放され、検察側が即時抗告した。
40年以上前の血痕のDNA型鑑定が信頼できるのか。東京高裁での審理の中心は、鑑定手法の検証だった。第2次請求審で鑑定した本田克也・筑波大教授は、常温保管された衣類から血液だけを抽出するため、試薬「レクチン」を使用した。血液型の判定に使われているが、刑事裁判の証拠となるDNA型鑑定に用いられたのは初めてだった。
高裁から検証を委託された鈴木広一・大阪医科大教授は、古い血痕をレクチンに浸して再現実験を実施。約1年半をかけ、「DNAを分解する作用があり不適切」との報告書をまとめた。
この報告書に基づき、検察側は「鑑定結果は信用できない」と主張したが、弁護団は「高濃度のレクチンを使うなど独自の条件で実験しており、検証になっていない」と反発。実験で少量のDNAが抽出されたことを逆手に取り、「結果の信用性は揺るぎない」と訴えている。(2018/06/09-15:18)
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