警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(1、2日 単位・レベル)
司法取引が始まった
【治安うんちく】
いよいよ司法取引が盛り込まれた改正刑事訴訟法が施行された。薬物や銃器の組織的犯罪や振り込め詐欺などの経済犯罪に効果が期待されている。組織犯罪の対抗策だ。
自分の犯罪を認めて、さらに他人の犯罪捜査に協力した場合は刑が軽減されるというもの。特にけん銃の取引などの事件はけん銃を押収しても組織の実態解明までは届かない場合が多かった。ところが、一方で日本の犯罪組織と外国犯罪組織の関係する組織的犯罪が多くなり、広域化、巧妙化している。
平成29年には、日本の暴力団住吉会傘下の幹部と中国来薬物犯罪組織の絡んだ密輸事件があった。茨城沖の海上で漁船を利用した「背取り」で密輸したもので、住吉会だけでなく極東会幹部に加えて中国から派遣された中国人の計21人を逮捕。400㌔を超える覚醒剤が押収されている。
そして、こうした覚醒剤の密輸は中国薬物犯罪組織が多く、上記のような洋上取引や運び屋、郵便物利用など取引自体が巧妙化している。
メキシコ系組織は海上コンテナ利用、ナイジェリア人西アフリカ系薬物犯罪組織はなんと、〝運び屋〟をリクルートして密輸するなど巧妙化している。
この年の来日外国人犯罪の総検挙数は17万件を超え、中でもベトナム人の摘発が増加傾向にある。
一方、経済犯罪では最近、猛威を振るっているのが振り込め詐欺。受け子とか出し子を逮捕しても組織の上まで伸びるのは少なく、明らかに組織犯罪とは分かっていても実態解明には至らない場合が多い。
取調室の可視化などもあり捜査に負の要因が多かったなかで、今回の法改正は少しは期待の持てる捜査の武器が与えられたことになる。
司法取引と言えば「かっこいい」が、ありていに言えば「密告」、あるいは「ちくり」。苦し紛れのうその供述で無実の人が冤罪に巻き込まれるのでは―と懸念する声も聞かれるが、たとえ供述が得られたとしても、裏付けによる完璧な捜査をすれば良いだけのこと。
捜査力を信じるしかいなだろう。反対なら対案を出せ!
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
http://policestory.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-4188.html
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