警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(9、10日 単位・レベル)
傷害罪は非親告罪だ
【治安うんちく】
兵庫県三田市の40代男性が、16歳の時から自宅敷地内に置かれた木製のおりで生活させられていたという事件が明らかになったり、千葉県市原市では、39歳の夫が35歳の妻を殺害、遺体を車に放置していた事件など、児童虐待も含めて家族間の事件が多すぎる。
それもそのはずだ。夫婦間の愛情は当然家族間の愛情に繋がる。ところがその夫婦間の愛情が希薄になったのか、DV法に関する相談が増えているという。
警視庁によると平成29年の配偶者からの暴力に関しての相談件数は8421件で前年より1602件も増えていることが先月、分かった。この数字は平成25年の2841件の約3倍になる。
相談は女性が圧倒的に多く83.2%にあたる7005件。男性からの相談も16.8%の1416件にものぼった。
相談者を年齢別でみると最も多いのは30歳代で2595人。次いで40歳代が2266人、20歳代が1808人と、20、30、40歳代に集中している。
しかし、60歳代も352人もいるほか70歳以上は305人もいる。しかも前年より75人も増え、平成25年の約4倍にもなっている。
この現象は全国的なもので、同年の全国の警察が受けた相談件数は7万2455件で初めて7万件を超えたという。
それにしてもこの種の事件は難解な事件だ。警察に相談に来ても訴えるケースが少なく放置され、重大事件に発展してしまうことも少なくない。
1昨年、警視庁管内の某署にひとりの女性が相談に訪れた。相談を受けて危険と判断した担当者は被害届を出すよう教示したが女性は断った。
それでも危険と判断した署は、非親告罪の傷害で逮捕しようと女性の身体にアザが多いことから写真を撮影して令状請求した。逮捕状がおりて夫を逮捕したが、翌日、相談者と夫の両方の弁護士が来て、逮捕は不当として釈放せざるを得なかった。
相談を担当していた当時、何度か扱ったことがあるが、多くの相談者は「捕まえてもらっても長くて数年で出てきてしまう。その後がかえって怖いから…」を理由に「止めてください」などと訴えを渋った。
昨年7月、110年振りに刑法が改正され、性犯罪は親告罪から非親告罪になり厳罰化されている。
DVも家庭内とは言え、ひとりでも被害者を出さないためには傷害罪でも暴行罪でも積極的な適用で有無を言わさずに検挙ができるようにすべきだ。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
【5年前のこの日】
http://policestory.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-4188-8.html
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