警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(25、26日 単位・レベル)
警察はそんなに暇ではない!
【治安うんちく】
埼玉県行田消防署の20歳の消防士の男が女性の入浴シーンを盗撮する目的で住宅の敷地に侵入したとして逮捕されるなど盗撮行為は大きな問題になっている。
79歳の男が54歳の元交際相手の女性につきまとったり、63歳の女性が71歳の元交際相手の男性につきまとって逮捕されるなど、つきまといは老若男女を問わない。こうした「盗撮」や「つきまとい行為」の規制強化などを盛り込んだ東京都迷惑防止条例の改正案が可決され、29日の本会議で成立する。
条例では、例えば「つきまとい」行為には「住居などの付近をみだりにうろつく」行為や「名誉を害する事項を告げること」などが規制対象に加えられた。
まさにこの条文があれば防げたのが平成11年10月26日に発生した埼玉県の桶川女子大生殺人事件だ。深夜に被害者の自宅周辺を徘徊したり、近くの電柱に誹謗する紙をはったり、名誉を害する手紙を父親の会社に送り付けたり…警察に何度訴えても事件にしてくれなかった。この事件を契機にストーカー行為という犯罪がクローズアップされて法制化された。
今回の迷防条例には当然、反対する人もいる。そのひとつには「恣意的な解釈で市民運動や取材活動などが規制される恐れがある」。さらに、政治家への批判や市民運動、取材活動の規制につながるのではないかというのだ。拡大解釈も甚だしい。
警察はそんなに暇ではない。警視庁には4万3千余の警察官がいるが、平成28年の刑法犯認知件数は13万4619件、110番受理件数に至っては137万件を超えている。
侵入盗などは1件でも鑑識や捜査員など身柄送致するまでは10人以上は必要で、殺人や強盗など捜査本部事件では1件に100人前後の人員が必要だ。
その他にも生活安全相談は13万件を超え、外国人犯罪など組織犯罪、特に暴力団からの相談件数は3606件もある。
さらに、大事な仕事は火災や大震災の時、あるいは迷子や高齢者を保護した時など身元確認に必要な巡回連絡カードを作るため警察官は一軒一軒回っている。昨年7月現在、都内で発見された遺体のうち3125人の身元が判明していない。1日も早く返してあげたい。
それだけではない。25年の全国平均の刑法犯起訴率は32.8%と半数にも達していない。さらに警視庁管内で平成29年に身柄を拘束できなかったのが1万6700件もある。こんな中で、どんな些細なことからでも都民の生命や財産を守るためには、どうすれば良いかを議論しつくして得た法案が迷惑防止条例。1件1件を確実に逮捕、起訴できるために必要な法律である。共謀罪の時もそうだが、世論のリーダーであるべきマスコミまでが反対するなら対案を出せ!と言いたい。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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