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2018年1月16日 (火)

狭山事件 「脅迫状の筆跡は別人」弁護団が新鑑定提出(16日)NHK

55年前、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で、無期懲役が確定した男性の弁護団が、有罪の裏付けとなった脅迫状の筆跡は別人のものだとする新たな鑑定を裁判所に提出しました。男性は再審=裁判のやり直しを求めていて、裁判所の判断が注目されます。
 昭和38年、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」では、無期懲役が確定し仮釈放された石川一雄さん(79)が再審を求めています。
 当時、被害者の自宅には脅迫状が届き、その筆跡が捜査機関の鑑定で石川さんと同じだとされたことが裁判で有罪の重要な裏付けとなりました。
 石川さんの弁護団は、コンピューターを使って筆跡を鑑定する手法を研究している東海大学の福江潔也教授に改めて鑑定を依頼しました。
 この手法は文字を画像で読み取って線の位置を座標上の数値で表し、形が似ているかどうかを比較するもので、鑑定によりますと、脅迫状の筆跡と石川さんの筆跡は形が大きくずれていて、99.9%の確率で別人のものだと考えられるということです。
 福江教授によりますと、従来の筆跡鑑定は見た目で文字の特徴を比較する手法などが中心だったということで、「今回はコンピューターが客観的に判断したのが最大の違いだ。ずれを見ると別人が書いたと考えなければ不合理だ」と話しています。
 弁護団は15日に東京高等裁判所に鑑定結果を提出したということで、裁判所の判断が注目されます。

新たな筆跡鑑定とは

東海大学の福江潔也教授が研究している筆跡鑑定の手法は、コンピューターで画像を解析する手法を応用したものです。
 福江教授の手法では、個人の筆跡の特徴を把握するため、まず筆跡を鑑定したい文書の中から繰り返し使われている文字を選びます。
 続いてその文字の画像をコンピューターで読み込み、傾きや大きさをそろえます。文字は直線や曲線の組み合わせで成り立っていますが、その上にコンピューターがいくつもの点を配置します。その点の位置をX軸とY軸の座標で表すことで文字の形を数値化することができます。
 そして数値を比較することで、文字の形がどの程度異なっているのかを把握することができます。
 福江教授によりますと、同じ人物が書いた場合、数値のずれは一定の幅に収まりますが、ほかの人物が書くと明らかにずれが大きくなるということです。
 「狭山事件」の鑑定では繰り返し使われていたひらがなの「い」「た」「て」「と」の4文字が選ばれ、脅迫状の文字と石川さんが書いた文字を比較した結果、同じ人物ではありえないほど数値がずれていたということです。
 福江教授が作成したデータベースをもとに計算したところ、脅迫状の文字と石川さんが書いた文字が別人のものである確率は、99.9%に達したということです。

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