警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(26、27日 単位・レベル)
最も卑劣な犯罪なのに…
【治安うんちく】
強制わいせつ―女性に対する重大な人権侵害であり、かつ最も卑劣な犯罪だ。ところが示談が成立したのかどうか分からないが、やたらと不起訴になる事例が多い。
JR埼京線の電車内で、しかも集団でわいせつな行為をしたとして逮捕された4人について東京地検は不起訴処分とした。混雑した車内で前後左右からわいせつ行為を受けたのは20代の女性。地検は示談が成立したことなどから不起訴にしたという。
さらに女子学生に酒を飲ませて集団で乱暴したとして書類送検された慶應大学の学生団体に所属していた男子学生6人も横浜地検が不起訴処分にした。不起訴にした理由について地検は明らかにしていない。
強制わいせつ―刑法176条で2年以下の懲役又は250万円以下の罰金と重く、治安を観察する際に指標となることから重要犯罪に指定されている。だが、親告罪のため確かに示談が成立していれば不起訴になるだろう。
問題は警察が逮捕して送致しているのだから、完全に行為はなかった訳ではない。しかも、この犯罪は再犯性が高いと言われている。となれば、完全無罪にするのではなく「再犯防止」のカウンセリングなどの条件を科すべきである。
その強制わいせつはどれぐらあるのか?警察庁によると今年11月現在の認知件数は5430件で前年に比べて316件の減。一方、検挙率は74.6%で同5.9ポイントアップした。
認知件数のランキングは大阪の726件、東京の671件、埼玉の446件、神奈川の404件、愛知の349件と続いた。
検挙率のランキングは山形の135.3%、沖縄の107.8%、徳島の106.7%、香川の102.2%、山口の100%の順。
低かったのは長崎の43.8%、山梨の48.4%、広島の52.9%、栃木の56.4%、千葉の56.9%など。
検察資料によると平成26年の強制わいせつの起訴率は45.8%で、起訴したのは半数にすぎない。かと言って「白」を「黒」にしてしまえとは言わない。だから再犯対策をと言っているのだ。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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