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2017年11月27日 (月)

AI、歩く姿で犯人見極め 識別率95%超 阪大グループら開発(27日)共同

複数の防犯カメラに写った容疑者が同一人物かどうかを、わずか2歩分の歩く姿で見極める「歩容鑑定」のシステムが、大阪大の研究グループによって進化している。従来の手法では撮影の向きが異なると精度が下がっていたが、人工知能(AI)を活用することで弱点を克服。「正面」と「真横」「真後ろ」の画像を比較しても、極めて高い精度での鑑定が可能になった。膨大な人物の中から容疑者を絞り込むこともでき、科学捜査の新たな切り札として注目を集める。(田中陽一)
 大阪大産業科学研究所の八木康史教授(58)らのグループが、三菱電機共同研究部門の協力を得て開発した。
 歩容鑑定は、歩き方の個人差に着目した認証技術。例えば、右手は振るのに左手は振らない▽前かがみになる▽歩幅が大きい-など「歩く姿には無意識のうちに個性が表れている」と八木教授。これまでにも、複数のカメラが捉えた人物の動画からそれぞれのシルエット画像を作り、同一かどうかを調べるシステムの開発には成功していた。
 ただ、カメラに写った「歩く向き」が異なると比較は難しかった。従来のシステムでは同じ向きになるようシルエットを変換していたが、もとの撮影角度が90度異なると、誤り率が4割近くに上った。
 そこで、研究グループは2015年夏から約1年間、日本科学未来館(東京)で、システムを紹介するデモ展示と並行して、同意を得た人の歩行姿を14方向から動画撮影。約1万人分(2~87歳)のデータベースを構築し、AIによる深層学習も取り入れてシステムを改良した。
 新システムでは、角度差が大きくてもシルエットをそのまま入力。腕の振り方や歩幅など、どの個人差を比べれば類似性を判断できるかを、データベースから深層学習して鑑定する。角度差が小さい場合も最適な結果が得られるよう別の仕組みを統合しており、誤り率は「角度差なし」なら1%、「角度差90度」でも4・2%にまで低減した。
 また、捜査の効率向上も期待できる。現在はかき集めた防犯カメラの映像を捜査員が一つ一つ確認しているが、新システムの実験では容疑者の絞り込みにも高い精度で成功。5千人の中から抽出した50人の中に、目当ての該当者が含まれる確率は、角度差がなければ99・3%、角度差90度の場合でも81・1%と従来の5・2%から飛躍的に向上した。
 次の課題は服装や荷物の影響だ。ダウンジャケットやロングスカートを着用していたり、重たい荷物を持って重心が傾いたりしている場合は精度が下がる傾向にあり、八木教授は「新システムの技術を応用すればこうした影響を低減することはできる。科学捜査の未来に向け、歩容鑑定を適用できる範囲を拡大させたい」としている。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201711/0010767276.shtml

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