警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(14、15日 単位・レベル)
真っ暗闇じゃございませんか
【治安うんちく】
大阪府警の警察署の取調で「おまえなめてんのか」「逮捕されるぞアホ」などと恫喝されたとして32歳の男が府に損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は取調の一部が違法だったとして府に33万円の支払いを命じた。
確かに暴言と言えばその通りだが、例えば殺人や強盗など重大犯罪の取調室では被疑者と調べ官は想像を絶する掛け合いになるという。
「…ですね」「…では困ります」など「です、ます」調の調べでは供述を得られない事件もあるだろう。
調べ室での言葉の端をいちいち問題にされるようでは、まともな調べができない。厳しさがなくなれば、黙秘や「記憶にございません」などがまかり通る。
「取調での調べ官との会話には、犯人に後悔の念を与え、それは再犯防止にも役立つのだ」
こんな事を「落としの金七」刑事から聞いたことがある。
時代の流れで捜査が困難を極めて検挙率が落ちる。加えて起訴率が下がる―では、犯人の「やり得」を認めていることになる。
警察庁によると今年9月現在の刑法犯検挙率は34.2%で前年と比べて1.6ポイントアップした。治安を観測する上で指標となるひとつの凶悪犯は84.2%で同0.6ポイントアップ。なかでも殺人は98.6%で同0.9ポイント、強盗は83.1%で同3.6ポイントとそれぞれ上がっている。
しかし、昭和の時代は60~70%もあった検挙率が半減している。その要因は窃盗犯だ。認知件数が刑法犯の約7割を占めているのに、検挙率は29.8%と低い。さらに最近は社会問題になっている詐欺などの知能犯も42.3%で、これは前年より7.3ポイントも下がっている。
検挙率もそうだが起訴率も問題だ。最近の数字では平成25年までしかないが、平成13年には刑法犯起訴率は19.1%で同17年には18.4%に落ち、同25年には平成12年以降で最低の16.9%となっている。
取調室で黙秘や否認が不起訴の要因のひとつになっているとしたら問題だ。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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