警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(13、14日 単位・レベル)
衰えは見えるのだが…
【治安うんちく】
暴力団組員であることを隠すなどで東京都をだまして建設会社を経営していた神戸山口組系暴力団幹部の男ら4人が警視庁に逮捕された。同庁は2億円以上を売り上げていたとみている。
今年7月、福岡市博多区の繁華街で発生した発砲事件で福岡県警は11日、指定暴力団道仁会系組幹部(55)ら5人を殺人未遂で逮捕。さらに、飲食店からみかじめ料を受け取ったとして、山口組弘道会の会長ら数人が愛知県警に逮捕されている。ほかにも、リゾートマンションの駐車場に止めたバイクからけん銃5丁や覚醒剤、大麻を隠し持っていたとして住吉会の組長が警視庁に逮捕されている。
警察による逮捕だけではない。振り込め詐欺の被害者が、使用責任があるとして指定暴力団稲川会会長と組員に損害賠償を求めて東京地裁に提訴するなど官民あげての壊滅作戦は進んでいる。
暴力団壊滅―平成20年に改正暴力団対策法が成立。21年には福岡県が暴力団排除条例を全国に先駆けて成立させて翌年に施行。その1年半後には47都道府県が暴排条例を制定、施行している。
全国で最初に制定した福岡県で西日本新聞社が、県警による暴力団工藤会の壊滅作戦開始から3年が過ぎたことから、北九州市民100人にアンケートを実施した。その結果、治安が「改善した」「やや改善した」と答えた人は60人。さらに離脱組員が増えて身近に住んだり、働いたりすることを「受け入れられる」とした市民は62人にのぼった。
警察による取り締まりの強化により、暴力団の勢力は衰えているのか。警察庁によると全国で暴排条例施行前の平成20年の山口組構成員は2万0200人。それが27年には3分の1の6000人になった。しかし、分裂した神戸山口組は2800人いる。
同様に住吉会は6100人から3200人に半減。稲川会は4800人が2700人になるなど3団体あわせると3万1100人が1万4700人と半数以上も減り、確かに勢力は衰えを見せている。
しかし、12日には神戸市長田区では、任侠山口組の代表のボディーガード役と見られる組員(44)が、拳銃で撃たれて殺害される事件が発生した。
摘発が進んでいるとは言え所詮は暴力団。〝任侠道〟なんていうものではなく、今回の銃撃事件のようにまだまだ予断を許せない。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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