警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(8、9日 単位・レベル)
ストーカー対策に宅地建物取引業協会が協力
【治安うんちく】
愛知県豊橋市に住む68歳の男がストーカー規制法違反で県警に逮捕された。男は54歳の女性に好意を持ち、自宅付近で待ち伏せしたり、何度も手紙の受け取りを要求するなどして同法に基づく警告を受けたが、さらにエスカレート5月には女性の職場付近を見張るなどしたための逮捕となった。
近年はこうした高齢者によるストーカー事犯が増えている。警察庁にるとストーカー事犯での相談件数は平成12年には2280件だったが、13年には1万4662件と1万件台になり、26年には2万2832件と規正法が施行されて以来の最多となった。27年には2万2737件とやや減少したものの依然として高水準にある。
ストーカー行為者を年齢でみると平成21年の60歳代は912人だったが25年には1396人に増加。さらに70歳以上は21年の279人が25年には523人となるなど高齢者によるストーカー行為が確実に増加している。
なんで高齢者によるストーカーが増加したのかについて性犯罪加害者専門の治療機関である「性障害専門医療センター」によると、貧困問題や人間関係の希薄化により強い孤立感を抱えている高齢者が多く、不安感も伴っていることから女性から少しでも親切にされただけで、「相手も自分に好意を持っている」と勘違いしてストーカー行為にはしるのではないかと分析している。
DVを含めて福岡県警などはストーカー被害に遭った人が長期的に避難できる賃貸物件を見つけやすくするため、県宅地建物取引業協会と情報を融通する協定を結ぶなど対策をとっている。
宅建協会が加盟企業の情報を県警に提供して被害者が避難できる物件の選択肢を増やして居場所を確保しやすくするというのだ。
この事犯は事件が起きてから問題になる場合が多い。相談に来て危険なので逮捕を薦めても「そこまでは望みません」と拒否する女性が多く、殺害されると「警察に相談していたのに…」となる。
その背景にはるのは、逮捕して拘留されても6か月以下の懲役などで釈放されることから、むしろ釈放されてからが怖いというのだ。親告罪が非親告罪になったがそれでもこの問題はついてまわる。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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