警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(24、25日 単位・レベル)
そしてひとつが終わり…♪
【治安うんちく】
また、ひとつの昭和が終わった。あの連続企業爆破事件の犯人、大道寺将司死刑囚が刑務所内で病死した。多発性骨髄腫だという。
あれは昭和50年5月19日 、小雨の降る朝だった。私は1人の刑事を追っていた。逃げる刑事ーまかれまいと必死で追いかけた。そして午前8時30分ごろ、場所は東京・荒川区の南千住駅の前。
通勤するサラリーマンなどに混じって1人の長身で細面のひ弱な男を刑事が取り囲んだ。2人が4人、4人が8人と数は増えて、男は刑事たちにすっかり囲まれていた。夢中でシャッターを押した。
集団は近くに停めてあった黒塗りの乗用車の中にその男を押し込んだ。車内で手錠がきらりと光った―逮捕の瞬間だ。
この男こそ、昭和49年8月30日の三菱重工など連続企業爆破事件の犯人、大道寺死刑囚。東アジア反日武装戦線「狼」の創設者の逮捕は実に静かだった。通勤者には一人も気づいたものはいないはずだ。結局、これが特ダネ写真となり、新聞協会賞メンバーの仲間入りした。カメラマン14年、新聞記者21年の計35年間の記者生活、いや人生で最大の思い出となった。
第1報は知人である元茨城県警捜査1課長からのメールだった。メールを見た瞬間、あの日のことを思い出し、時間が止まった。
テロリストの死と言っても彼も人間。あの警視庁名刑事、平塚八兵衛さんの言葉を思い出した。
「人殺しの犯人でもひとりの人間。人それぞれに人生がある。犯罪を犯すにはそれなりの理由があったのだろう。罪を憎んで人を憎まずだ」
平塚さんは身代金目的誘拐殺人事件犯人の死刑執行後に、ひっそりと埋葬された〝墓〟を訪れ、土盛りを素手で掘りながら泥だらけになり泣き崩れた。名刑事のそのシーンが脳裏に浮かんだ…
年をとるとセンチメンタルになるのか、昭和46年に警察官を殺害した中核派の大坂正明容疑者が46年振りに逮捕された。46年前…来る日も来る日もデモ取材。火炎ビンに命を縮め、機動隊の催涙弾に涙したっけ。思い出すなぁ昭和の時代…
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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