警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(7、8日 単位・レベル)
刑事(デカ)の執念
【治安うんちく】
6日の産経新聞に、こんな見出しが踊っていた。
16年前の歌舞伎町クラブ襲撃 強殺容疑で 本格捜査
http://www.sankei.com/affairs/news/170306/afr1703060005-n1.html
平成18年3月に新宿・歌舞伎町のクラブで59歳の店長が殺害され現金を奪われた事件だ。警視庁の未解決事件を追う特命班の執念の捜査が犯人の中国人に到達したという。
裏には、DNA鑑定や生体情報認証システムなど科学捜査があるが、その前に新宿署のひとりの刑事がいる。
端緒をつかんだ刑事だが、それが報道では何かを明らかにしていない。しかし、16年も過ぎているのだから事件解決への執念が見えてくる。
小欄も昭和時代の名刑事を見てきた。警視庁捜査1課の平塚八兵衛刑事と小山金七刑事だ。個性的な刑事魂の持ち主だった。あの土田国安元警視総監は八兵衛刑事をこう評価した。
「捜査手法は科学的」だったというのだ。現場の遺留品を含め得られる全てを克明に集め整理して、刑事の鑑を使い方程式を解くように謎を解明して行く。それは「執念」だという。
もうひとり〝落としの金七〟と言われた金七刑事。現場を最重要視し、ひとつひとつの証拠品、情報を徹底的に裏付ける捜査。病におかされながらも最後まで黙々と犯人を追う姿に〝刑事魂〟をみせつけられた。同僚たちはこれを「執念」と言った。
事件解決のためには一足の革靴がすり減ってしまうほど聞き込み捜査を重視する執念のある刑事は科学捜査の時代でもあり少なくなっている。そんななかで、16年も前の歌舞伎町の事件の端緒を得たひとりの刑事の執念に感動させられた。大事にして欲しい。
警察庁によると今年1月の殺人事件の認知件数は78件で前年と同数。ランキングでは東京が12件、愛知が7件、大阪が6件、埼玉、千葉が5件と続く。
なかでも静岡は4件も増えて5件に、愛知は5件も増えて7件となった。
検挙率は82.1%で前年より6.4ポイントの減少。滋賀県警は200%もあり他の18道県警も100%代だった。
これに対して低かったのは静岡の20%、富山、栃木の50%と続き、それでも少ないほうの3番目は東京の83.3%だった。
今、あらゆる面で捜査に逆風が吹いている。くなかでの執念に拍手をおくりたい。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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