警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(17、18日 単位・レベル)
ストーカー加害者は女性も
【治安うんちく】
「相談していたのに殺されてしまった」―ストーカー事犯でこんな結果になる例が多い。警察の多くの相談対応では、危険と感じた際には加害者の逮捕を勧めるが多くは断る。親告罪のストーカー事犯は断られれば逮捕できない。
それが改正になり非親告罪になった。一方、全国の警察は、その加害者に対して医療機関での治療やカウンセリングを勧める取り組みを今年度から初めているが、警察庁によると実際に受診したのは約25%にすぎず、拒否する人が多かった。あくまでも任意だからだ。
治療やカウンセリングを警察が勧めて「はいそうですか」と従うなら、殺人事件なんて起きない。ストーカー事犯を一種の〝病気〟とするなら、その意味では非親告罪と合わせて運用することで効果があると期待できる。
警察庁よると平成27年のストーカー事犯の被害者は男性の2341人に対して女性は1万9627人。加害者は逆に女性が2429人に対して男性は1万8819人。報道されないのであまり知られていないが11.1%は女性が加害者になっている。
年齢別でみると被害者は20歳代が全体の35.1%を占め、30歳代が26.5%、40歳代が18.0%の順。なんと70歳以上も1.0%あった。
これに対して加害者は30歳代が最も多く23.5%。以下40歳代が20.7%、20歳代が18.6%と続き70歳以上は2.8%もある。
行為形態別ではつきまとい、待ち伏せが最多で1万1352件、面会交際要求が1万0426件、無言電話やメールが6608件。
改正法で新たに追加された「自宅近くのうろつき」では今月、静岡県警が逮捕するなど、早くも効果が出でいる。
被害者と加害者の関係別で最も多いのは交際関係で49.6%、知人・友人が12.4%、勤務先や職場関係が5.8%などだった。
改正法は捜査にとって大きな武器になる。今後は「相談していたのに殺人」に発展した場合は、警察の責任が重くなるので慎重な「読み(判断)」が必要になってくる。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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