警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(10、11日 単位・レベル)
検挙は事件抑止の証明
【治安うんちく】
身代金目的誘拐事件―最近は、とんと聞かなくなった事件名だ。ただ、大事になる前の未遂事件はある。昨年11月13日に自宅近くの路上で自転車に乗っていた小1年の女児(7)を連れ去ろうとしたとして、警視庁は未成年者略取未遂の容疑で、東京都青梅市の職業不詳の男を逮捕した。女児が抵抗したため逃走したが防犯カメラから犯人を割り出した。男は「いたずら目的だった」と供述しており、身代金目的ではなかった。
身代金目的と言えば昭和38年3月31日に発生した吉展ちゃん誘拐殺人事件は有名。かつて警視庁の名刑事と言われた平塚八兵衛刑事の活躍で32歳の男が逮捕されたいる。今でも語り継がれている事件だ。
今回の事件は略取・誘拐、いわゆる連れ去りの未遂でも、いたずら目的で捜査本部を設置するような事件には至らなかった。
最後の誘拐の捜査本部事件は平成18年6月26日に21歳の4年生の女子大生が誘拐され、身代金3億円を要求する電話が14回もかけてきたが、警視庁は13時間後に犯人の中国人と韓国人ら3人を逮捕した。
この身代金目的の誘拐事件は昭和50年代には年間で65件も発生していたが、60年代は6件、平成に入り10件と若干増加したものの期間に換算すると減少し続けている。
減少の理由を検挙率と見る人が多い。検挙率はなんと97、8%を誇る。身代金を手にした犯人は極めて少ないのだ。当然、「割に合わない」犯罪だという認識が広まったものと見ても良いだろう。
身代金目的という本格的事件ではないが、警察庁によると略取・誘拐(連れ去り)事犯の平成28年11月までの検挙率は90.1%なのだ。中でも熊本の検挙率は150%で全国1位を誇り、2位は京都の120%など100%代が29府県にも及んだ。
低くても神奈川の47.1%、福島の50.0%の2県だけで、その他は70%以上なのである。
但し、最近はSNSなどを通じて簡単に未成年者を呼び出し、自宅に連れ込んでもて遊ぶ事件もあり、誘拐事件も時代とともに変わっている。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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