警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(5、6日 単位・レベル)
八百屋お七
【治安うんちく】
放火事件―と言えば「八百屋お七」。八百屋の娘、お七が江戸時代前期に江戸本郷で恋人に会いたい一心で放火した事件。お七は後に火あぶりの刑に処せられている。放火犯なのに井原西鶴の「好色五人女」に取り上げられたほか、浄瑠璃・歌舞伎などでも上演されるなど歴史上の人物になってしまった。
今年に入って放火事件が相次いでいる。5日、東京・八王子市の昭和天皇の墓地近くの公園などで不審火が相次ぎ、同日未明には千葉県船橋市のアパートでオートバイが燃える不審火があり、周辺では同様の不審火が15件も相次いでいる。同日未明には、名古屋市で住宅やバイクが燃える不審火が相次ぎ、2日には大阪府東大阪市で、倉庫や自転車などが燃える不審火が3件も相次いだ。
さらに、埼玉・川口市でもJR西川口駅近くでゴミや段ボールなどが燃える不審火が3件相次ぎ、周辺では昨年末にも2件の不審火があった。
警察庁によると今年11月現在の放火事犯の認知件数は841件で前年同期と比べて−140件。検挙率は76.6%。ちなみに昭和56年には検挙率が91.6%という記録がある。
例によってランキングをみると順位は10月現在と変わりなくワーストは大阪の167件、東京の70件、愛知の54件と続いた。
昭和の時代に遡ると57年には2291件と多かったが61年には1776件と千件代に減り、平成15年と17年には再び2千件代に戻ったが、その後、減少傾向になり27年は1092件。28年11月現在だがさらに140件も少ないのだが…、どういう訳か今年に入って多くなっている。
古くから「放火犯には蓄膿症が多い」などと言われた時代があったが、根拠はどうもフランスの統計のようだ。
火災保険を目的とした放火や火事現場泥棒、大きな炎を見ると興奮する病的な動機もあるようだ。八百屋お七でもあるまいが、平成8年9月発生の東京都葛飾区柴又の女子大生放火殺人はストーカー絡みの事件という見方もある。早期解決を望みたい。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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