警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(30、1日 単位・レベル)
刑事魂
【治安うんちく】
検挙率の話しを書いたが、偶然にも今朝(30日)の産経新聞都内版に「汗泥にまみれ範を示す」とするコラムに共感した。荒井敬介キャップの原稿である。
東京都目黒区で24歳の女性が行方不明になった事件で、警視庁は元交際相手の50歳の男を逮捕した。ところが、男は「遺体を10ぐらいに切断して捨てた」と供述。事件を立件するためには、捨てられた遺体の一部でも見つける必要がある。
捜査は供述した周辺の汚泥を集めて肉片を捜す仕事に入った。その汚泥は数トン(600袋)にものぼったという。8人の捜査員が物証を求めて汚泥の手探り。8人の中には捜査1課刑事にまじって目黒署の刑事組対課長の警部もいた。そして遂に彼らは1辺の肉片を見つけたというのだ。
コラムでは警部でありながら泥にまみれての作業について触れ、「デカ(刑事)が肩の星(階級)ばかり追うようじゃおしまいだ」と階級社会に一石を投じた。
警察社会における警部とは―1階級下に警部補がいる。この警部補が平成19年には警察官全体の28%を占め、警部はわずか7%に過ぎない。警部補の一部には指揮命令権も与えられているほどの重責だ。
警部の上には警視の階級が待っており、警察界では組織運営上極めて重要な位置にあるのだ。筆者は、その警部が泥まみれになって仕事をする姿に感動を得たのだろう。
コラムを見て、昭和時代の伝説の刑事と言われた平塚八兵衛さんを思い出した。事件一筋に生きた刑事だ。聞き込み捜査に同行した事がある。彼は無試験で警視まで上り詰めたのだが、「仕事には階級なんかねぇんだ」が口癖だった。
「おらだちはホス(犯人)をあげるのがすごとだ。だれにも文句いわせねぇよ」と、雨が降ろうと風が吹こうと歩いて歩いて歩きまわる。1つの捜査本部が解決するのに革靴1足がすり減った。
あまりにも早いので、付いて行くのがやっとだった。そし、八兵衛さんにこう怒られた。「つぎに会うひとからどんなはなすが聴けるのかと思うと、あんたのようにぼやぼやすていられねぇんだよ」
警部だろうと警視であろうと警視正であろうと、若い時から自分の意思は通すという誇りと自信に満ちており、吉展ちゃん事件や帝銀事件など難事件解決の功績を持つ。
「今、そんなど根性のある職人的なデカはいない。みんなサラリーマン化している」と嘆く警察幹部もいる。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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