警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(30、31日 単位・レベル)
前科・前歴の功罪
【治安うんちく】
インターネットで逮捕歴が表示される検索結果などの削除を認めない判決が出た。
東京都内の男性が、振り込め詐欺で執行猶予期間を過ぎたのに逮捕歴が表示される検索結果などの削除を米グーグルに求めた訴訟で、東京地裁はこのほど男性の請求を棄却したのだ。その理由として「振り込め詐欺の被害は今も大きく、公益性が強い」としている。
「前科」は有罪判決を受けた者につくもので、「前歴」は無罪や不起訴になったものの逮捕されたり捜査上で被疑者として対象になった場合を言う。
ネットで氏名を検索すれば過去の事件報道で関係者であることが分かる時代。このため削除を支援する専門業者もある。確かに、前科・前歴が分かれば日常生活ばかりか、人生でも困るため、削除を求める者が多いのだろう。削除してしまえば、何度やっても前科者とは分からない。
昭和の時代は新聞やテレビ報道でも逮捕された者に前科があれば「前科1犯」「前科3犯」などと回数まで報道されたものだ。それが、現在は個人情報やプライバシーの問題だとして警察は発表すらしない。よって「前科」「前歴」は消えてしまった。
子供のころから婆ちゃんや爺ちゃんに「悪いことをすると一生ついてまわるぞ」などと教わり、子供心に「前科」「前歴」は恐ろしいものだと思っていた。
だから前科、前歴は犯罪抑止に大きな効果あったと言っても過言ではない。
こんな裏付け数字がある。平成26年版の法務省の犯罪白書によると「前科」「前歴」の報道があった昭和の時代の再犯者率は低かった。刑法犯でみると昭和31年のそれは24.1%で50年に12.5%。ところが、前科・前歴の発表が消えた平成に入ると高くなり25年には46.7%となってしまった。
中でも、少年による殺人や強盗など凶悪事件の再犯者率は平成23年にはなんと59.5%にまで増えている。「消えてなくなれば済む事さ」…こんな考えがあるとすれば末恐ろしい世の中になってしまう。罪の重さをどう教えるか?
犯歴の多い者が学校の先生や警察官、自衛官、医者、警備員などになったら、これほど恐ろしい事はない。
【事件】 30日夜、東京・文京区のコンビニエンスストアで男が酒を買うふりをして店員に刃物を突きつけ、現金およそ15万円を奪って逃走した。警視庁は強盗事件として逃げた身長165㌢ぐらいの男を追っている。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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