警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(2、3日 単位・レベル)
還付金詐欺が増加
【治安うんちく】
もう幾つのステージになるのだろうか―詐欺劇場は依然として続いている。
先月30日には新潟市東区の70代の女性が役所職員を名乗る男から「医療費の還付がある」などと騙されて、現金約50万円をだまし取られた還付金詐欺。
札幌市では70代の女性が「競馬のレースで高額の配当が得られる」と騙され、7月から8月にかけて、現金あわせて1100万円をだまし取られたギャンブル名目詐欺。
福岡市城南区の87歳の女性は、金融機関を名乗る男から「振り込み通知がきている」「手続きをしますか」などと言われ、信じて言われるがままに近くのATMに行き、携帯電話で指示通り操作。 約50万円を送金してしまった。医療費とは違うが還付金詐欺のひとつだ。
あらゆる騙しのテクニックを使いお年寄りから〝虎の子〟をだまし取る卑劣な犯罪。そしてそれは時代時代に合わせて進化する。
なんと、リオオリンピックが済み「さあ東京オリンピックだ」という時期を狙い「オリンピック財団」を名乗る詐欺も出現した。既に青森、山形、宮崎県の3県で女性3人が計約3450万円の被害に遭っているという。
劇場型犯罪はこんな手口だけではない。「貴方を詐欺から守る」という騙しの口述で現金をまきあげる卑劣な手口もある。
宮崎県警が実施しているオペレーターの女性が県内に住む高齢者などの自宅に直接、電話をかけて特殊詐欺の手口や、だまされないための方法を指導しているが、なんと、それを逆手にとってだまし取るという手口だ。
これではお年寄りは何を信じて良いか分からなくなってしまう。小欄も被害者の親になりすまして情報を取得し、徹底的に口座を凍結した経験があるが、プロでさえ引っかかってしまうような口述を使うのだ。
その特殊詐欺だが、警察庁によると今年上半期(1~6月)は全体的に減少傾向にあるが、還付金詐欺が増加しているという。
上半期の特殊詐欺の認知件数は6443件で前年同期と比べて570件の減。被害額は191億3968万0041円で同42億4013万0259円も減っているが、依然として高水準で推移している。
最も多いのは振り込め詐欺の6129件で同265件の減。被害額は179億8694万6381円で同9億8465万9940円の減少。
各形態で減少しているのに対して増加しているのは新潟の事例のような還付金詐欺。認知件数は1561件で419件増え、被害額は18億8748万1000円で6億9369万7000円の増加だ。
今、流行の「ポケモンGO」の中で使われているコインについて、金融庁は事実上の「通貨」と認定する方針を決めたという。既に偽アプリも現れており、治安上は新たな悩みの種になりそうだ。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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