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2016年8月26日 (金)

山口組分裂1年 山一抗争で銃撃された警官の思い(26日)共同

 28年前、指定暴力団山口組の分裂に絡む抗争の警戒中に銃撃され、一時重体となった兵庫県警の捜査員が、神戸新聞の取材に初めて応じた。葺合署の 刑事生活安全官、岡田智博警視(52)。山口組は1年前に再び分裂し、離脱した神戸山口組との対立が今も続く。管轄する神戸・三宮には双方の拠点が複数あ り、岡田さんは警戒に当たる後輩らに「集中力を切らすな」と指導に熱を込める。
 銃撃されたのは1988年5月14日未明。 山口組の4代目組長人事に反発した勢力「一和会」との間で起きた「山一抗争」は、その前年に山口組側が終結を宣言したが、衝突は続いていた。岡田さんは当 時、採用2年目の24歳。配属された東灘署管内には一和会の会長宅があり、終日警戒を続けていた。
 パトカーの運転席にいると、突如「うお りゃー」という声が聞こえた。目をやると「釣りざおのようなものを振り上げる男」が見えた。次の瞬間、男は窓からマシンガンを差し込み数秒間、連射。岡田 さんは右のこめかみと右手に被弾し、間もなく意識を失った。助手席と後部座席にいた同僚2人も撃たれ、重傷を負った。
 「暑さもあり、窓が少し開いていたのだと思う。漠然とした油断があった」と岡田さん。制服警察官には発砲しないだろうという思い込み。抗争は収まりつつあるという情勢認識。それらが気の緩みを許したと振り返る。
 目を覚ましたのは2日後。「顔はぱんぱんに腫れて痛いし、苦しい。何より後悔で涙が止まらなかった」。銃撃した山口組系組員はその後、逮捕された。
  再度の分裂から1年。葺合署管内にある主要な組事務所では24時間態勢の警戒が続く。「同じ失敗は許されないし、住民を巻き込むような衝突を起こさせたら あかん」。署員らには事務所付近を走る車両や出入りする人への職務質問を徹底するよう指示を飛ばす。防弾チョッキは必ず着用させる。「大げさだと思うかも しれないが、緊張感の緩みが一番怖い」
 朝夕は子どもの登下校に合わせ、パトカーでの巡回を欠かさない。課や階級に関係なく、全署員の分担だ。
 岡田さんは、負傷時に着用していた血だらけの制服を手元に置く。「あの日」を繰り返さないための戒めであり、暴力団に強い気持ちで対峙(たいじ)するための支えでもある。
 「自分が失敗から学んだことを今、実践する時やと思っています」。固い決意は一時も揺るがない。(鈴木雅之)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201608/0009427575.shtml

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