警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(13、14日 単位・レベル)
ダーティハリー症候群
【治安うんちく】
アメリカルイジアナ州で、黒人の男性が警察官に射殺され、それはミネソタ州でもあった。この事件がもとで全米各地で警察に対する抗議デモが行われ、テキサス州ダラスでは警察官ら11人が銃撃され5人が死亡した。
一方、日本警察はストーカー事件やDV事件で「警察に相談したのに助けられなかった」など〝不作為〟が問われ、警察は国民の厳しい目にさらされている。
もちろん、アメリカの問題は白人と黒人の人種差別問題に起因した事件だ。
さらに、警察は日本と違い、FBIのような政府機関と郡警察や州警察、それに市警察などに分かれて、それぞれが独立している。日本の警察庁のように1本の通達で全国の警察が動くような組織ではない。
なによりも大きな違いは銃社会。黒人が白人警察官に射殺され、その仕返しに黒人が白人警察官を銃で襲撃。この繰り返しでは警察官にとっては安閑とする日は1日もない。犯人検挙時の緊張感はいくばかりか…
こうした背景から、正義感の強い警察官が生まれ、「悪党に生きている資格はない」と正当化。微罪でも「悪は悪」として射殺してしまう。
日本でも話題になったアメリカ映画に「ダーティハリ」という映画があった。主人公のキャラハンが正義の名のもとに犯罪者を次々と処刑してゆくという内容。正義感の強い警察官が独自の権限で刑を執行する事犯が多いことから、米国では「ダーティハリー症候群」と呼ばれたことがあった。
警察官の権限って何だろう?
東京・小金井市の女子大生刺傷事件―警察に相談していたが事件が起きてしまった。相談をうけてもストーカー規制法に該当せず、相談者が逮捕を望まなければ何もできないのが日本警察だ。
こんな事があった。DVの被害を受けたとして警察に相談した。警察は危険性が大きいことから相手を逮捕しようとしたが相談者はそれを望まなかった。しかし、「危険」と判断した警察は独自の判断で、被害者の受けた傷の部位などの写真を撮り、裁判官に説明した。裁判官は危険と判断して令状がおり、警察は男を逮捕した。
ところが翌日、相談者と加害者の弁護士2人が来署して、「不当逮捕」を主張したため逮捕者を釈放せざるを得なかった。
逮捕すれば「不当逮捕」と批判され、逮捕しなければ事件が起きて批判を受ける―この繰り返しでは一種の〝ダーテイはリー症候群〟のような警察官が誕生する土壌は十分にある。
警察官は結果論が問われるのなら「危険性のある悪」と判断した場合、アメリカのように射殺まではしないものの、法律の条文に縛られることなく身柄を拘束してしまえば良い。それで、相談者の命が救えるのならば…
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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