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2016年4月19日 (火)

保育園断念・延期、都内でも続々…住民から苦情(19日)読売

待機児童の問題が深刻化する中、東京都内でも住民の反対で、保育園の開園を断念したり、延期したりするケースが出ている。
 住民の要望に耳を傾け、理解を得る取り組みも行われている。
 杉並区の閑静な住宅街の一角に黄色いのぼりを立てた民家がある。「子どもの『安心・安全』が確保されていない保育園に大切なお子さまを預けますか?」の文字。保育園の新設を巡り2014年、住民の反対運動が起こった。敷地前の私道は幅約3メートル。「道が狭くて、毎朝夕、小さい子を連れて行き来されたら危ない。保育園じゃなく、住宅を造ってもらって静かに暮らしたい」。近くの80歳代男性は反対した理由をそう話す。
 計画では昨年4月、認可保育園(定員64人)が開園する予定だった。区の公募に応じた事業者は14年春以降、予定地周辺の住民の戸別訪問や説明会を繰り返したが、建設を断念した。区の担当者は「区としては絶対に引かない方針でも、事業者が諦めてしまうと何もできない」と頭を抱える。
◇ 台東区内では、認可保育園1園の開園が今年4月から3か月先延ばしに。きっかけは、周辺の住民からの1本の電話。「園児の声でうるさくなる。送迎の自転車が危ない」と反対する内容だった。その後に住民宅を戸別訪問したところ、同様の意見が出たため、区は事業者に対応を依頼した。外壁の防音機能を強化する工事などを追加したため開園が遅れている。
 目黒区で今年6月に開園する認可保育園は、住民の反対で予定が1年2か月遅れている。運営会社「ブロッサム」(中央区)は計10回住民説明会を実施し、理解を求めてきた。西尾義隆社長(42)は、「反対すれば事業者は撤退するという先例を作ってしまうと、今後保育園を作れなくなる。時間をかけて説明するしかない」と話す。
 開園にこぎ着けても、周辺住民との関係は大切だ。
 文京区の住宅街にある認可保育園には、開園直後から匿名で苦情の電話がかかってくる。屋外で子供がお遊戯をすれば「静かにしてくれ」。窓を開けると「泣き声がうるさい」。園では、屋外に出る場合は少人数にすることや、窓を閉めてエアコンを使うなどのルールを作った。
 苦情への対応がきっかけで、住民との関係が良好になった施設もある。足立区の認証保育園「バンビ保育園」と住宅の境に先月、パンジーなど花が植えられた高さ約3メートルの壁ができた。住民からの騒音苦情に対応するために防音壁の設置を決め、造園業者に制作を依頼した。防音効果は大きく、地域住民から「きれいね」と声もかけられるようになった。鈴木圭子園長(69)は「子供にのびのびと遊ばせてあげたい。園が努力している姿勢を地域に見てもらうことは、関係作りの上で重要」と話している。

2016年04月19日 10時33分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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