警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(9、10日単位・レベル)
永遠の課題?
【治安うんちく】 自白の信用性をめぐって争われていた栃木の女児殺害事件の裁判員裁判で、被告に無期懲役が言い渡された。意外な結果に驚いた。
かつて警視庁捜査1課で「落としの金七」とコンビを組んでいたやはり名人がこんな事を言っていたのを思い出す。
「調べ室は調べ官と被疑者の真剣な戦いの場だ。被疑者にとって落ち(自供する)てしまえば死刑になるか刑務所人生を送るかが勝負。だから素直に認める者なんていない。激しい鬩ぎ合いとなる。だから落ちる時は顔面が蒼白になり震えだしたり、鬼のような形相になる者もいる。苦しんで苦しんで、堪えられなくなり観念した時の表情だ。これで俺たちは『落ちた』と確証が持てる。ところが、中途半端に落としてしまうと、後に『自白を強要された』と言うものだ」
可視化は調べ室での調べ官と被疑者の虚々実々の戦いが録音・録画されているとなると、どうしても大声を出さなければならない時などで調べ官に不利になるのではという懸念があった。
ところが今回は、録画されている被疑者の行動が逆に決め手になったのである。
ところが、それで新たな問題も出てきた。それは「完全黙秘」である。調べ官はこれがやっかいものと言う。
「逃れるためありとあらゆる嘘を並べて抵抗する被疑者こそ、落としやすい」というのだ。しかし黙秘となるとそうはいかなくなる。
要するに調べ官にとって「調べの技能」は、永遠の課題なのかも知れない。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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