警視庁管内体感治安レベル3
首都東京体感治安(20、21日単位・レベル)
防災無線の活用について
【治安うんちく】
震災の時などに住民への情報伝達手段として多くの自治体には「防災無線」がある。市町村は地域住民に漏れなく情報を同時に伝えるためスピーカーを各所に設置して、無線で情報を提供するものだ。
住民6人が殺害された事件のあった埼玉県熊谷市で、この防災無線を利用して「重要犯罪情報」「犯罪情報」として注意喚起など効果的な情報発信を目指すことになったという。 同市ではペルー国籍の男が署から逃亡した後で殺人事件を起こしたもので、住民にはその情報が伝えられなかったとして問題になったが、防災無線は「市町村行政無線」として利用されており、市が担当している。このため警察と市の連絡不足により、防災無線の活用がされず、結果として住民から批判を受けた。
このため、今後は警察と市で窓口を一本化させ、連携していく情報の提供を行うことになったという。
この防災無線だが、昭和の時代に東海地震の危険性がある静岡県で「同報無線」として利用されていた。その同報無線の放送内容も、地域住民の役にたつ情報として災害情報だけでなく、子供やお年寄りの行方不明なども活用され、完全に地域住民の生活の中に溶け込んでいたのだ。
ところが、東京に来て驚いた。放送すると「うるさい」と抗議がくるので震災以外は利用していない区市もあるという。従って、東京では熊谷市のような事態はいつ起こるか分からない。覚悟すべきであろう。
熊谷市と東京の某区市との違いと言えば東京には、「学校や幼稚園の子供の声がうるさい」。あるいは消防署の近くに住んでいて、「毎朝のサイレンのテストがうるさい」というEGOSIT(利己主義者=社会や他人のことを考えず、自分の利益や快楽だけを追求する考え方)が多いことだ。
もちろん、無線によるものだから、こんな事態もあり得る。
昭和60年6月のことだ。杉並区の104カ所の防災無線から突然、他人を誹謗中傷する大音声が流れたことがあった。放送は、延々25分間にも及んだが、これこそ「うるさい」のである。〝無線ジャック〟されたものだが、この事態は特異な事例であり、そうでない限りは地域住民の生命を守るためのものとして、わずか数十秒の放送を我慢するだけでどれだけの都民の命が救われることか…
【事件】 20日午前1時半ごろ、名古屋市中川区の路上で走っていた車が、前後を別の車2台に挟み撃ちにされて止められ、運転していた男性が数人の男に刃物で切られて殺害される事件があった。
東京でも同日朝、大田区の路上で、27歳の会社員の男性が見知らぬ男に腹部を刺される傷害事件があったり、19日未明には東京・江戸川区のコンビニに刃物を持った男が押し入り、現金およそ24万円を奪って逃走。さらに17日には東京八王子市の路上で女子高生が刃物を持った男に現金1万3000円の入ったリュックサックを奪われる強盗事件があった。この事件は幸い犯人は逮捕されたが、年末年始に向けて制服によるパトロールなど抑止策の強化が必要のようだ。
首都東京体感治安は「レベル3(イエロー)」とする。
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