警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(29、30日単位・レベル)
捜査員の質も問題
【治安うんちく】
平成12年12月に東京・世田谷区で一家4人が殺害された事件は30日で15年を迎えた。もちろん犯人は特定されていない。この事件の大きな特徴は犯人が血の掌紋を残していたことだ。事件後、警察庁の幹部はこんな事を言っていた。
「掌紋があるので必ず挙がると思っている。どうも、あの近くに精神病院があり通院している者と言うような気がしてきた」として、「犯行後に冷蔵庫をあさったりパソコンをいじるという一連の行為は、自然に出たものであり、異常者でもおかしくない」と言い、周辺の聞き込みの重要性をあげた。
そして警視庁のある幹部は「遺留品が多いがこれが決め手になるかも知れない。そのためには一品一品確実に潰していくことだ。クロスする部分が必ず出てくる」
とにかく遺留品は多かった。帽子やジャンパー、トレーナー、手袋、ヒップバックからハンカチまでだ。
この事件に接する時、あの平塚八兵衛さんを思い出す。彼が府中3億円事件捜査本部に入った時はかなり後だが、2年後に遺留品を担当した。八兵衛さんの口癖は「捜査の大原則は遺留品の捜査だ」と。
しかし八兵衛さんが捜査に入った時は時間が経っており、遺留品の販売地域まで絞り込んだもののその先が延びずに歯ぎしりしたものだった。
世田谷の事件は、果たして遺留品の捜査は完璧だったのか?残された血の掌紋にこだわりすぎたのではないのか?
3億円事件では似顔絵にこだわりすぎたと八兵衛さんは反省した。そして遺留品捜査がおざなりになったとも…
警察庁幹部のいう「周辺捜査」が大事だったが、残念ながら周辺住民の聞き込みをした捜査員による虚偽の報告書が作成されるなど、初期捜査から歯車が狂いっぱなしだった。しかも、指揮者によって事件の見方が変わったというのは致命傷だ。
小覧の心に引っかかることがある。定年退職して一緒に仕事をした時の公安刑事の言葉だ。「公安も(捜査本部に)入ればよかったのに…」。その理由は書くことができない。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
【判定方式】
刑法犯の発生件数や検挙率などの数値治安に対して、最近は「体感治安」と言う言葉が一般化してきました。辞書を引いても出て来ませんが、国民が体で感じる感覚を温度に例え「体感治安」と名付けられたものです。平成7年に当時の警察庁長官だった國松孝次氏の造語とされています。「体感」はあくまでも体感であり、本来、数字で表すものではありませんが、あえて挑戦しました。内閣府の調査によりますと国民が治安情報を入手するのはマスコミということから、東京都内発行の新聞の事件・事故の扱いから、感じる度合いを分析し「警視庁管内」の治安度数とします。
【基準値】
レベル5 治安情勢は最悪ポイント100〜80
レベル4 治安の悪化 ポイント 79〜60
レベル3 治安の悪化傾向ポイント 59〜40
レベル2 治安悪化の兆し
ポイント39〜20
レベル1 平穏 ポイント 19以下
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